コラムメニュー

ここから本文

コラム

【甘口辛口】6月7日

2009.6.7 05:00
操作メニューをスキップして本文へ

 元タレント、小向美奈子(24)がストリップデビュー、全国的な注目を浴びている。前所属事務所との間で交わした裸禁止の契約からすったもんだとなったが、今回の騒動で衰退の一途をたどるストリップショーに、興味や郷愁を覚えた人は多いに違いない。

 ストリップショー自体は戦後まもなく誕生。小向の出演した浅草ロック座などからは1950年代以降、幕間のコントで出演した故渥美清、萩本欽一、ビートたけしら日本を代表する喜劇人も数多く生み出した。現在、全国には約50のストリップ劇場があるが、インターネット上の裸の氾濫などで入場者は年々、減り続けている。

 そんな中でストリップ嬢の多くが全国の劇場を回る。その1人に話を聞くと、「数年前からギャラが激減しました」と嘆く。彼女によると、1日4回公演で、ギャラはあくまで平均だが3万円前後。興行は毎月、10日から15日間で、それ以外は休みを取るため月給は30万円から45万円程度となる。が、「劇場によっては衣装や交通費が自己負担になるんです」といい、決して生活は楽ではない。

 それでも、美しい体を見せるため、誰もがするのは公演ごとの直前シャワー。体のすみずみまで洗い、普段からムダ毛の処理も欠かさない。「ただ、踊りが苦手だったり、緊張感から逃げ出す新人も多い。年齢は若くてもデビューが先の人は先輩というしきたりは厳然としてあるし、いじめは日常茶飯事。私も衣装を棄てられたりしました」という。

 楽しみは全国の食べ物やお酒、温泉だそうだが、公然わいせつで逮捕されるケースもある。華やかでも厳しい現実と背中合わせ。見て楽しむ側とは雲泥の差がありそうだ。(森岡真一郎)


PR

企画特集

注目サイト