6月6日
「内田康夫サスペンス・福原警部」

原 作
内田康夫
脚 本
篠崎 好
監 督
伊藤寿浩
プロデューサー
高橋浩太郎(テレビ朝日)
土橋 覚(東阪企画)
制 作
テレビ朝日
東阪企画

出演
福原太一     石塚英彦
椿 和美     藤谷美紀
北島 誠     賀集利樹
神永洋二     長谷川朝晴
木村多恵子   渋谷琴乃
川井真理子   山口いづみ
渡辺亮一     岩田和樹
高見佳男     一條 俊
小野警部補    渡辺いっけい
南田署長     宅麻 伸
           ほか

 福原太一(石塚英彦)は、警視庁捜査一課の警部。キレ者として名高いが、同時に食に対する探究心も人一倍旺盛なものがある。
 ある休日、福原は友人と奥多摩に渓流釣りに出かける。ところが、夜更けにパトカーのサイレンが聞こえてきたため、福原は音を頼りにパトカーの止まっている一軒の家の前に駆けつける。実はこの家の住人で八王子でスナックを経営している川井真理子(山口いづみ)が死体で発見されていたのだった。
 刑事たちがあわただしく出入りする中、福原は、何事かと室内に入っていくが、たちまち刑事に外に連れ出されてしまう。休暇中で警察手帳を所持していなかったため、福原はどうすることもできない。
 翌日、奥多摩署の捜査本部が設置され、警視庁から捜査主任として福原が、部下の北島刑事(賀集利樹)とともに派遣される。捜査本部には、前夜事件現場で福原を追い立てた刑事の顔も見えた。奥多摩署の南田署長(宅麻伸)の紹介により、その刑事は小野捜査係長(渡辺いっけい)だと福原は知る。
 小野の報告によると、死体を発見したのは前夜の9時に訪問する約束をしていた証券会社の社員・神永(長谷川朝晴)だという。真理子はひも状のもので首を絞められ、ソファーに横たえられていたらしい。また、死亡推定時刻は前夜の7時前後で、周囲の状況から殺される直前に来客があったらしいことも判明していた。
 福原は、リビングのテーブルに置かれたコップの粒入りのオレンジジュースの飲み残りから睡眠薬が検出されたと聞かされる。睡眠薬で眠らせて絞殺したと思われるが、福原は、なぜ犯人はわざわざ粒入りのジュースを使ったのか、どうも納得がいかない。
 福原は、奥多摩署捜査課の椿和美刑事(藤谷美紀)に案内されて殺人現場に向かうが、椿刑事が本庁から来た福原に対抗心を燃やしているのを感じ取る。
 現場には発見者の神永も呼ばれていて、事情聴取が行われた。それによると、真理子はもぐりの金貸しをしていて、神永も400万円あまりを借りているという。神永が真理子のもとを訪れたのは借金の一部を返済するためということだった。小野は、神永を疑うが、福原は何も言わない。
 やがて、秘書兼お手伝いの木村多恵子(渋谷琴乃)の証言で、真理子から金を借りているのは13名であることがわかる。その後、奥多摩署の調べで、犯行当日に東京都内または近郊にいた、第一発見者の神永、ラーメン店を経営する渡辺(岩田和樹)、IT企業勤務のイケメンの高見(一條俊)、コンビニ店経営の金沢(長江健次)の4人に容疑者が絞られた。
 だが、福原の関心は真理子殺害の当日に彼女のもとに届けられた高級シャンパンに向けられていた。