松田１０回ＴＫＯで２度目防衛…日本フェザー級タイトルマッチ

１０回、上野則之（左）にＴＫＯ勝ちした王者・松田直樹

　◆報知新聞社後援　プロボクシング・ダイナミックグローブ（６日・後楽園ホール）日本フェザー級タイトルマッチが行われ、王者・松田直樹（３２）＝帝拳＝が同級５位・上野則之（２７）＝ワタナベ＝との死闘を制し、１０回ＴＫＯで２度目の防衛に成功。日本ウエルター級タイトルマッチでは王者・中川大資（３１）＝帝拳＝が同級２位・斉藤幸伸丸（３０）＝輪島＝にポイントリードを許しながらも７回にラッシュをかけて逆転のＴＫＯ勝ち。初防衛に成功した。

　ＫＯを目指し、前に出た。最終１０回。松田が得意の左、そして右ストレートを最後の力を振り絞って放っていく。鼻血が止まらず血まみれになった上野の必死の応戦に右を再び突き刺した直後、レフェリーが試合を止めた。執念のＶ２防衛。２回にダウンを喫する苦しい展開にピリオドを打った王者は「結果を出せて良かった」と胸をなで下ろした。

　負けられなかった。３月の日本ミニマム級王座決定戦後に急性硬膜下血腫でジム同僚の辻昌建さん（享年３０歳）が死去。「辻のためにもなんとか勝ちたかった」と、中川らとともにトランクスに辻さんの名前を刻み、決戦に臨んだ。序盤は硬さも見られたが、中盤から強打に頼るのをやめ左ジャブ中心のボクシングに切り替え、主導権を奪い返した。勝利への執念だった。

　だが、狙っていたＫＯを逃し、苦笑いを浮かべた王者は「すべてが反省点。出直しです」。目指す世界の頂点へ向けて、再出発を誓っていた。