ブルゴーニュを代表するネゴシアンとしてだけではなく、ドメーヌとしても数多くのワイン誌で近年高い評価を得るアンリ・ドゥ・ヴィラモン社。シャンボール・ミュジニィ村やサヴィニー・レボーヌ村のベストの区画を中心に約10haの畑を所有する。特筆すべきは17世紀にクロ・ヴージョを単独所有していたレオンス・ボッケが、当代一流の建築家、アルベール・スイスに設計を依頼し、1880年から8年の歳月をかけて築かれたセラー。 後に、偉大なるワインコレクターとして知られるバロレット博士の手に渡ったセラーは、博士の死後、バロレット・コレクション共々ヴィラモン社の所有となる。エノロジストの卓越した技巧だけではなく、「世界的遺産」と称えらるこのセラーからは、長熟型のワインを造るのは難しいブルゴーニュにあって、バロレット・コレクションに代表されるような非常に長命なワインを造り出す。 ローマ時代から言い伝えられる、優れたカーヴの条件「東西南北」に広がるカーヴは、建築当時、単独としてはブルゴーニュ最大の4,000uの面積を持ち、天井は6メートルもの驚く程の高さ。温度、湿度、気流の流れが最も理想的な環境にあり、人工的に再現できない神秘の力さえ感じさせる。2005年夏には、ワイナリーも大改装。ワインへの負担を抑えた、グラヴィティシステムを採用する等々、今後更なる品質の向上が期待できる。 |