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記念撮影に臨む、前列左から滝本誠、石井慧、吉田秀彦、北岡悟ら

　実戦デビューではすべりません！　１日に戦極参戦を表明した総合格闘家の石井慧（２２）が４日、東京・新宿ステーションスクエアで行われた戦極のイベントに出席し、ファンと初対面した。自ら希望して黒柳徹子（７５）風のカツラを被って３０００人のファンの前に登場したが、反応はいまひとつで「すべった」と苦笑い。ユニークな言動で話題を振りまく北京五輪柔道１００キロ超級金メダリストの戦極初パフォーマンスは不発に終わったが、デビュー戦に向けては「いつでも大丈夫」と気合十分だった。

　石井の名前がコールされると、会場にはのどかな、なじみの曲が鳴り響いた。

　♪ル～ルル　ルルル　ル～ルル　ルルル♪

　テレビ朝日系で放送されている「徹子の部屋」のテーマで登場した石井の頭には、黒柳徹子風のカツラ。初対面のファンを喜ばせたいと自ら提案したものだが、思いとは裏腹に微妙な空気が流れた。石井は「もうちょっと笑ってもらえると思ったんですけど」と苦笑い。カツラを取って「すべってるんで次は本気で考えてきたい」と切り替えると、午後５時４３分、用意された契約書にサインした。

　ファン相手の戦極“デビュー戦”こそ快勝とはいかなかったが、注目度と期待度は抜群だった。新宿駅前の会場には主催者発表で約３０００人が集まった。戦極の國保取締役は「パニックになるから（イベントを）やめませんかと行政に言われた」と明かし、警備員を４８人に倍増。警察官は１５人が警備していた。注目を浴びる新人に同取締役は「早く見たいですよ」と話しつつ「いろんな方向で考えたい」と８月２日「戦極第九陣」（さいたまスーパーアリーナ）での実戦デビューには慎重。「宝のデビュー戦なので慎重にいきたい」と配慮していく構えだ。

　この日は吉田ら戦極参戦選手が１７人も駆けつけた。吉田と滝本の柔道金メダリストの先輩に挟まれ「石井節」は影を潜めた。だが、吉田には「金メダルを取っているからすごいと思うので良いパフォーマンスを見せてくれると思う」と言われ、滝本にも「強いので無難にこなせるんじゃないか」と太鼓判を押された。

　「尊敬する先輩にそう言ってもらえてうれしい。期待に応えられるように頑張る。（デビュー戦は）いつでも大丈夫。柔道着は着ません」。石井のやる気に満ちた表情からは、総合格闘技デビュー戦で「すべる」姿は想像しがたかった。【浜本卓也】

　［2009年6月5日8時23分　紙面から］

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