三原観光汽船(三原市)が三原市と尾道市瀬戸田町を結ぶ2航路の廃止を届け出たことなどを受け、尾三地区の海運業者や従業員の団体が5日、相次いで三原市に航路存続を求める要望書を出した。高速道路料金の大幅値下げが船会社に大打撃を与える中、行政の負担を求める動きは今後も強まりそうだ。
尾道地区旅客船協会の弓場丞会長がこの日、市役所を訪ねて市幹部に要望書を手渡した。港湾施設使用料減免▽国の補正予算に盛り込まれた交付金の活用▽道路や下水道と同様な維持、整備対策―などを求める内容。弓場会長は市幹部に「自助努力だけで高速道路料金引き下げに見合うコスト削減はできない」と窮状を訴えた。
三原観光汽船の山本勝美社長も同席。「収支バランスが完全に崩れた」と11月末の廃止を届け出た理由を説明したという。全日本海員組合尾道支部のメンバーら6人も雇用確保の観点から支援策要望に市役所を訪れた。
【写真説明】三原市幹部(左)に航路存続への支援を求める要望書を手渡す弓場会長
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