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チームプレーに徹し…俊輔が導いた一番切符

<ウズベキスタン・日本>4大会連続のW杯出場を決め、岡田武史監督(左)と抱き合う中村俊輔
<ウズベキスタン・日本>4大会連続のW杯出場を決め、岡田武史監督(左)と抱き合う中村俊輔
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 日本は6日、タシケントで行われたW杯アジア最終予選で1―0でウズベキスタンを破り、W杯南アフリカ大会(来年6月11日開幕)出場を決めた。前半9分にFW岡崎の得点で先制。終了間際にMF長谷部が退場、岡田監督が退席処分となる大荒れの一戦を制した。4大会連続4度目の出場で世界最速での予選突破。大一番を乗り越えた岡田ジャパンの司令塔・中村俊輔(30=セルティック)がスポニチに独占手記を寄せ、予選の戦いを振り返り、本大会に向けた課題を指摘。集大成となる自身2度目のW杯に懸ける熱い思いをつづった。 【試合結果  アジア最終予選A組

 今回のW杯予選はいろいろなことがあった。予選直前で監督がオシムさんから岡田さんに代わったり、周囲の厳しい声もあったしね。でも、最終予選でこれだけ(上位を)キープできたことは前の予選でもなかったし、2試合残しての予選突破決定は本当に胸を張っていい結果だと思う。

 ウズベキスタン戦も後半はほぼ守備に追われてルーズボールも取れず、難しい試合だった。審判も少し厳しかったし、そんな中、どんな状況であれ勝ち点3が取れたのはまた新しい引き出しができたと思う。

 岡田さんが監督になって初めて代表に招集されたとき、自室に呼んでいろいろと話をしてくれた。「こういうコンセプトでこういうサッカーがしたい。それについてきてくれるか」と。岡田監督のコンセプトとは一言で言えば「全員守備、全員攻撃」のこと。自分なりに準備をしてきていたけど、最初にきちんと話をしてくれたので、凄く対応しやすかった。

 最初に招集されたときは4―4―2で、セルティックと同じ右をやらせてもらったから、自分としてもプレーしやすかった。とにかくまず周りの動きを把握しつつ、その中で自分の色を出していく。その順番だけは間違えないようにした。以前はいかに自分を良く見せるかに集中していた。でも、セルティックで得た経験から、大事なことは自分だけを良く見せることではなく、集団の中でどれだけ見せられるかだと分かった。自分のプレーばかり見せようとすると、そのときは良かったとしても、必ずどこかで引っかかる。そうじゃなくて、近くの人と連動して良いプレーをして、その中で自分をアピールすることが大切だと思う。

 よくマスコミからは自分がチームリーダーみたいに言われるけど、自分ではそんな気は全くない。ただ、気が付いたことがあったらどんどん他の選手に話すようにはしてきた。「オレはこういうプレーしかできない」というのではダメ。集団の中で自分は何をすればいいのか、周りの状況を読める人間が必要。試合終了のホイッスルと同時に味方選手に自分の意見をぶつけたこともあったけど、意見交換は大切なことだと思う。自分自身も他の人からの指摘は聞くし、自分で反省もする。そういう作業の積み重ねが今回の結果(予選突破)につながったと思っている。

 もちろんW杯は予選を通っただけじゃ意味がない。あと1年でさらにレベルを上げるためには、もっと強い相手と試合をする必要がある。9月にはオランダとの試合が予定されていると聞いたけど、例えばその試合で0―5や0―7で負けてもいい。でも、そこで今やっているサッカーが間違いだったと思うんじゃなくて、自分がどうすればよかったのか、相手の速さについていくにはどうしたらいいのか、個人じゃなくてチームとしてどう対応すればいいのか、それに気が付けばいい。

 もう1つ大事なことは、チームの雰囲気を良くすること。ささいなことだけど、合宿の時の食事はバラバラじゃなくみんなで1つのテーブルを囲むとか、部屋のドアは開け放っておくとか、レクリエーション用に野球盤を置くとか、朝全員で一緒に散歩するとか。そうやってチームが1つになるし、こういうことが大切だと思う。ドイツ大会の時はあまりそういうことがなかった。今回はそういう雰囲気もつくっていきたいと思っている。

 岡田さんは本大会での「ベスト4」を目標に掲げているから、自分たちもできると信じてやる。可能性はゼロじゃないし、挑戦する価値は十分にあると思う。

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