福岡市は6日、同市博多区の市立板付中1年生の男子生徒(12)が新型インフルエンザに感染したことが判明したと発表した。福岡県内の感染は2人目で、ソ連型にも重複感染していた。生徒は海外への渡航歴はなく、最近は県外にも出ていないという。板付中では6日、この生徒を含む生徒9人が発熱して体育祭の練習を休んでおり、市教委は7日の体育祭を延期し、14日までの1週間休校にすることを決めた。
吉田宏市長は6日夜、記者会見し「新型インフルエンザは毒性が弱いタイプと確認されているので、市民の皆さんには冷静に対応してほしい」と述べた。他の学校の休校や集会の自粛などは現時点では要請しない。
市によると、男子生徒は卓球部に所属。6日に発熱した生徒9人のうち5人は卓球部の1年生。板付中では4日に生徒5人、5日には6人が発熱で学校を休んだという。市は発熱した生徒に検査への協力を要請した。
男子生徒は5日、37.8度の熱が出たため帰宅後、同県春日市の医療機関を受診。簡易検査でA型陽性となり、6日に県保健環境研究所の詳細(PCR)検査で新型と確認された。
男子生徒は県の感染症指定医療機関の1つ「こども病院・感染症センター」(福岡市中央区)に入院。現在は36度台の平熱に戻っている。
板付中の岸川央(ひろし)校長は「明日からは担任が毎日、生徒たちの健康状態を保護者に電話で確認するなど冷静に対応したい」と語った。
■体育祭は延期し1週間臨時休校 学校対応に追われる
男子生徒が新型インフルエンザに感染したことが確認された福岡市博多区井相田の同市立板付中(岸川央(ひろし)校長)では6日夜、教職員約30人があわただしく登校。7日に予定した体育祭の延期と1週間の臨時休校が決まると、手分けして生徒への連絡に当たった。
同中学によると、6日は登校日。午前中に授業と体育祭の練習があり午後はテント設営の準備に当たった。午後9時すぎに岸川校長へ福岡市教委から感染の連絡が入った。教職員が全校生徒に、体育祭延期と臨時休校を伝え、「外出を避け、発熱などの症状があれば、市の発熱相談センターに相談を」と呼び掛けた。
=2009/06/07付 西日本新聞朝刊=