新聞・雑誌のビジネスモデルは終わっている
週刊誌の編集長や元編集長の方の話を聞いていると、とても面白いですよね? しかしこんなに面白いのに、なぜ週刊誌は売れないのだろう? (会場内笑い)
僕は新聞記者の時代が長かったので、少し新聞の話をする。最近、なぜ新聞が売れないかというという指摘があるが……そんなの当たり前だ。どんな調査結果を見ても、新聞を何時間も読んでいるといったデータはない。1日に新聞を読む時間は(平均して)20分〜30分ほどだ。
あなた新聞を何分読んでいますか? と聞かれ、10分しか読んでいない人であれば「30分」と答えるだろう(笑)。つまり20分〜30分という数字が出ていることは、新聞は1日に5分か10分しか読まれていないのだ。
新聞を“惰性”で購読している人は多く、そういった人は新聞の購読料を固定費として考えている。これまでは電気やガスなどと同じだったが、新聞が変動費と分かれば「払う必要はない」という人が現れるのは当然だ。
新聞は今、読まれなくなったのではない。昔から読まれていないのだ。だから広告は入らない……つまりビジネスモデルとして新聞は終わっている。
では雑誌はどうだろうか? なぜ雑誌を買うか、と聞かれたら「暇つぶしに読むからだ」と思っている。雑誌というのは何年も保管するものではない。例えば佐野眞一さんの書籍はずっと持っているが、佐野さんが連載していた雑誌はとっていない。
雑誌というのは「200円や300円で暇つぶしができるものだったら安い」ということで、読んでいる人が多い。しかし今の暇つぶしは、携帯電話などに変わってきている。なので「暇つぶし用の雑誌」では売れない。そうすれば広告も入ってこないし、(広告がほしいため)広告主の悪口は書かないし、その結果、内容が面白くなくなってきている。ビジネスモデルでいうと、今のままでは雑誌は終わっている。
→後編に続く。
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