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【鳩山会見詳報】「対北朝鮮で日韓が協力」 (1/3ページ)
民主党の鳩山由紀夫代表は5日、韓国を訪問し、李明博大統領と会談した。代表就任後初の外遊で、次期衆院選後の政権交代を見据え、大統領との信頼関係構築がねらいだ。鳩山氏は大統領との会談後に記者会見し、「対北朝鮮で日韓が協力いていくとの考えで一致したことなどを明らかにした。記者会見の詳報は次の通り。(ソウル 水沼啓子)
【日韓関係、北朝鮮問題】
「李明博大統領閣下との会談は和やかに進んだ。最初の35分が2人だけの会談だった。その後、仲間8、9人との懇談になった。ひと言で申し上げれば、韓国は昨年政権交代をして、新しい政府ができた。日本はこれから政権交代をして新しい政権をつくる。韓国の新しい政府と日本の新しい政府の間で、新しい日韓関係ができるということを強く感じた会談だった」
「私からは3点を申し上げた。1つは政権交代の必要性。国民の皆さんの不満を解決するために、政治の信頼を回復させる目的と、新しいアジア重視の外交をつくりあげていくために政権交代が必要だと申し上げた。現政権との違いは、私どもは過去の歴史を直視する勇気をもっていることです。そのことによって未来に大きな扉を開くことができるとそのように申し上げた。すなわち過去のない未来はあり得ないことだ。そのことに関して、李大統領からは、新しい日韓関係に対する期待感の表明があった。過去に対して、しっかりと見つめる勇気というものに対して理解を示して頂いた」
「2点目は北朝鮮の核実験あるいはミサイルの度重なる発射について申し上げた。この件に関して、韓国と日本は直接的な脅威にさらされている2国である、韓国と日本が協力して、米国との協力の下に、中国をいかに取り込むかということが死活的に需要だと申し上げた。そのことの中で、もう1つ申し上げたのは、国連の安保理決議をいま求めているが、実効あらしめるためには中国をしっかりと取り込むことが重要だと重ねて申し上げた。時間の関係でこのことに対する、李大統領の答えは後半のところで述べて頂いた。基本的に私の考えとほぼ同じ考えを表明していただいたと理解をしている」
「いま1つは私が代表になって最も力を入れている外交における友愛の精神のことだ。すなわち友愛精神が戦争ばかりしていたフランス、ドイツを最終的に戦争のないEUという組織にまで高めた。東アジアにおいてもそれが決して不可能ではないと考えている。まず日本と韓国が協力していくことが大変重要で、そこに中国も仲間に入り、必要なら米国に仲間に入ってもらい、東アジアの共同体、アジア太平洋の共同体構想が重要な発想だということを申し上げた。そのためには日韓のFTA(自由貿易協定)を早く結ぶことが大事ではないかと申し上げた」
「そのことに対する李大統領の答えは、『わたしのおっしゃる通りではないか。日韓のFTAに関しては、私は決して反対ではない。ただ幾つかのところで滞っているが、むしろ日韓の政治の信頼の問題』と話され、日韓の政治信頼がもっと高めれば必然的に解決ができるだろうと申された。以上が概要だ。李大統領から新しい民主党政権ができることに対して、大きな期待をもっていただいとそのように感じた会談だった」