【萌え狩り?】
児ポ法改正は以前から論議されていたが、議論再燃のきっかけとなったのは、パソコン向けのアダルトゲーム「レイプレイ」。母娘にレイプするという鬼畜な内容に、英米からクレームが付いた。
まず今年2月、英国の国会議員が問題視し、英米のネット通販サイト「アマゾン」が発売を中止。5月には米国の人権団体が「ロリコンと呼ばれる少女の児童ポルノ市場が日本で巨大化している」と麻生太郎首相とゲームメーカーあてに抗議文を提出した。この動きが、児ポ法改正をめぐる議論に再び火をつけた。
同法改正をめぐっては、国会での成立を目指して昨年から議論が活発化。今年3月までに、自民党と民主党がそれぞれ改正案を提出している。議論の焦点は、(1)「実写のみ」とされている規制の対象をアニメやゲームにまで広げるか(2)G8加盟国の中で日本とロシアのみ認められている「単純所持」を罰するか−の2点だ。
改正賛成派である自民党の山谷えり子参院議員は先月22日、「性暴力ゲーム」の規制を検討する勉強会を党内に設置すると発表。児童ポルノ規制運動を展開する日本ユニセフ協会も「日本では実写のみが対象だが、未成年にまつわるすべての性表現を規制の対象にし、単純所持も禁止するのが世界の流れ」と主張している。いずれも、今回の騒動に乗じて規制強化の動きを進めようという意図が感じられる。
勢いづく賛成派だが、苦言を呈する人もいる。
児ポ法に詳しい山口貴士弁護士は「今回の(レイプレイの)問題は、児童ポルノの議論とは切り離して考えるべきだ。児童ポルノ規制の法的根拠は、被害者の存在にある。ゲームは創作物であり、登場人物は虚構。誰の人権も侵害していない以上、表現の自由の範囲内であり、販売を禁止する根拠は存在しない」と語る。
ITジャーナリストの井上トシユキ氏も「単純所持まで法律で禁止されると、迷惑メールに添付された児童ポルノ画像を気づかずに所有していたり、ネットサーフィン中に意図せずに画像に行き当たるといった“動機なき罪”に問われる可能性も出てくる。特定の相手をおとしめる手段として、児童ポルノ画像をメール送信したり、ウイルスに仕込んでパソコンに送り込むという手口も考えられる。しっかりと法を整備しないと、大きな混乱を招く」と危惧する。
反対派が大勢を占めるネット上でも賛成派に対する批判が集中。大手掲示板には、≪萌え狩りだ!≫≪(米国は)性犯罪率を日本より低くしてから抗議してもらいたいもんだ≫などと書き込まれている。両派の議論はいまだ平行線のままだ。