良い侵害、悪い侵害

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特許審査ハイウェイについて
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筆者:塚原 憲一 
日時:
2009.06.05 17:18

今回は負け方の話です。
ビジネスを展開すれば、どうしても他人の知財を侵害します。 交通事故みたいなもんです。 では、そんなときはどうすれば良いのでしょうか? ここに例を2つ紹介しましょう。

1つは綾小路きみまろのサラリーマン川柳盗用事件です。
人気漫談家の綾小路きみまろが、「サラリーマン川柳」のネタを盗用したことがありました。
芸能人としての生命を失いかねない事件です。
しかし、彼は非を認めて素直に謝罪。
加えて、カツラ疑惑についても認めてしまう清々しさを見せ付けてくれました。
これに世間は「憎めない奴だなー」と思わずニッコリ。
そして、現在においても、彼が芸能人として活躍しているのは皆さんもご存知の通りです。

もう1つは、最後のパレード事件です。
オリエンタルランドの元従業員である中村克氏が著した「最後のパレード」という本がベストセラーになりました。
内容ですが、東京ディズニーランドで実際にあった心温まるエピソードを収録したものです。
ところが、33個あるエピソードのうち32個までが盗作!
さらに、侵害を指摘された著者が開き直って謝罪を拒否したから大変です。
報道を賑わす、自主回収を余儀なくされるで、著者は出版生命を失ってしまいました。

オチを見ると、天と地の差があります。
運命を分けたものは謝罪の有無でした。
ミスしたら素直に謝る・・・そんな当たり前のことを当たり前のように行うことができたかどうかが運命の分かれ目だったんですね。

 

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