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GM国有化で抱えた課題

2009年6月6日0時11分

 1908年9月に設立され、100年以上の歴史を持つGMがついに負債総額約16兆4千億円を抱えて破産法の適用を申請し経営破綻(はたん)した。

 今後は米政府を中心とした支援で再生を図ることになる。米政府は既に昨年12月からつなぎ融資をしており、今回の301億ドルと合わせると約500億ドル(約4兆7500億円)もの支援をすることになる。

 破綻の原因は、自動車購入者の嗜好(しこう)が燃費の良い小型車に移っていく中、フルサイズのSUVやピックアップトラックの生産に固執したことだろう。同時多発テロ、サブプライム問題、ガソリン価格高騰、リーマン・ショックなどにより自動車販売が急速に低迷し、収益悪化に加え退職年金や医療負担が連なり、経営危機に陥ったのだ。

 その経営危機の背景には、77年間も世界一の販売台数を維持し続ける中で、世の中の動きについていけなくなったり、内部や周囲の意見を聞かなくなったりした、ある種の驕(おご)りがGM経営陣にあったのかもしれない。

 今回の米政府による一般企業の支援・国有化は様々な問題を含んでいる。(1)国として60%もの新GMの株式や大口の支援債権を保有し、かつ一部役員も派遣しながら日常の経営に関与しない矛盾(2)将来の業績悪化時に更に税金を使った金融支援ができるのか(3)国が保有する株式の価格下落時にどう対処するのか、また株式の売却のタイミングをどう考えるか(4)雇用維持のための組合保護ではないのか(5)一般企業が政府支援を受けられることのモラルハザードなどである。

 米政府はこれらの問題を背負い込んだとも言えよう。今後の政府支援の動きが注目される。(QJ)

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 「経済気象台」は、第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆によるものです。

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