堺屋太一氏緊急直言の「平成30年 日本経済崩壊」はこうして防ぐ
行政も会社運営もディズニー方式を学べば正しく動いていきます。非効率な日本的組織運営から、効率的で必ず正しいアウトプットを創出することができるディズニー方式を取り入れることにより、行政コストは削減され、企業の業績は向上し続けていくことでしょう。
その上で、夕張市をも再生させる「森林開拓プロジェクト」を実行に移せば、私は日本の経済はV字型に回復して行くものと確信しています。
堺屋氏の直言から
「日本が・・・口では『改革』『改革』と唱えていますが・・・ただ取るに足らない『盲腸の手術』や吹出物の膏薬貼りをしているだけです。」
「私はこの現象をFTN(ファイトが足りない症候群)と名づけました。こうした日本人の活力低下が徹底的に進んでいることこそ、危機を感じます。」
「このままいけば、日本経済は再起不能に陥る恐れさえあります。いわゆるアルゼンチン化です。」
「今日の日本もまた、企画大量生産依存から抜け出せていません。この構造を何としても変えなければならない。」
以上、週刊文春から引用
もちろん堺屋氏の直言は、「そうならないように今から知恵を出せ」というものですが、氏の予測は今までも当たっています。本日の新聞には「日本の一人当たりのGDPが先進国中最下位の18位に下がった」という記事も掲載されています。日本人が必死に知恵を出していかないと、この国の明るい未来はなくなってしまうことでしょう。
さて、私は堺屋太一氏の信奉者の一人です。その理由は氏がディズニーを高く評価してくれているからにほかなりません。
堺屋氏は過去にこのように発言されています。
「日本は官僚主義の業界協調体制によって『最適工業社会』を作り上げたが、知価社会へと向かう世界の潮流から外れ、『不況、不評、不安の三重苦』に陥った」
「米国は日本より一歩、先を行っている。1980年代に近代工業社会を離脱し、製造業が競争力を失った。そんなところに日本が自動車や電化製品を売り込んだ。ところが、米国は工業社会の崩壊の中で『知価産業』を育ててきた。それがマイクロソフトであり、ディズニーです」
本題に入ります。
何が日本をこれだけダメにしているのか、一言で申し上げましょう。
それは日本人の「楽したい主義」です。ボタン一つ押せば全てがうまく行く、放っておけばいずれどうにかなるという考え方が、政、官、業に蔓延しているということです。
人と人とのコミュニティに関しても同じです。日本人の「楽したい主義」は行きつくところまで行ってしまっています。
インターネット全盛の今の時代、企業の公報も営業も「ホームページをご覧ください」「お問い合わせはこちらのフォームからどうぞ」で済ませています。
もちろんインターネットは大いに活用すべきです。私もブログを書いていますし、メールでのコミュニケーション方法も活用しています。
このような時代であっても、絶対に「楽」をさせないディズニーのコミュニケーションスタイルは、基本的に「人」対「人」です。
対ゲストであっても会社間であっても「積極的にコミュニケーション」の姿勢なのです。今でもインフォメーションセンターでは、数十人のキャストが電話の前で「人」対「人」のコミュニケーションを取り続けているのです。
日本社会は違います。役所であっても企業であっても、最近は「人」からのレスポンス(応答、反応)が少なくなってきているように思えてなりません。
企業や役所の問い合わせ欄に意見やメリットがあるメッセージを送ってもレスポンスがあるのはほんのわずかです。
ディズニーではステークホルダー(企業活動を行う上で関わるすべての人)からパークに頂戴した、全ての苦情や意見、提案には100%返信するとともに、これらは全て会社のトップまで伝えます。
ステークホルダーを大切にしない企業には発展はない、私はそのように断言させていただきます。(ディズニーは出入りの業者であっても「明日のゲスト」と考え礼儀正しく対応します。だから企業イメージが高いのです。)
さて、これからの時代は「競争」から「共生」へと言われていますが、この「競争」というキーワードに関しても、日本社会とディズニー社会の考え方は全く違います。
日本社会で一般的に使用する「競争」とは、ゼロサムゲームのようにどちらかが勝ち,どちらかが負けるという「奪い合い」です。
この競争主義の導入は、経営者側にとって一番「楽」で、一番「効果のない」やり方なのですが、多くの経営者はこのことに全く気がついていません。
その結果がこの「GDPの落ち込み」である、私はそう確信しています。
講演で配布する資料の一部を紹介します。
◇ディズニーランドは競争社会ではなく協力・協調社会です。だからうまくいっているのです。
<日本社会>
競争至上主義が出発点です(組織内で取り合い、やっつけ合い) → 負かし合い(組織内勝負) → 仕事の囲い込み(ゼロサムゲーム) → 勝ち組み、負け組みに二極化(人勝ちを狙った結果) → 組織の分断と沈滞 → 衰退(パイの縮小、不安でアイディアなど誰も出しません) → 荒廃し不祥事が多発している今日の社会
<ディズニー社会>
協力、協調主義が出発点です(助け合い、サポート) → 信頼関係の構築 → 仕事の教え合い(WIN-WIN) → 従業員の成長(エンパワメント) → 組織の一体化と活性化→ 成長(パイの拡大、安心してアイディアを創出) → 創造的で豊かな社会
引用終了
何が言いたいのかといいますと、ディズニー社会はサッカーのように、「いかに仲間をアシストしたか」「いかに敵の攻撃からゴールを死守したか(いかに防御したか)」「いかに仲間と協力してゲストを楽しませたか」などを競い合っているのです。
このことをお伝えしたいのです。お分かりいただけたでしょうか。
競争至上主義についてもう少し書きたいと思います。
「すぐれた業務推敲能力を発揮するには、競争は必要ではなく、むしろ競争の欠如が必要なくらいである」
社会学者、アルフィー・コーン
「ミネソタ大学の研究者ロジャー・ジャクソンは教育環境に関する264の研究に基づいて次の結果を報告している。173の研究(約65%)では協力が競争や単独の努力よりも高い業績をあげ、13の研究(約5%)では競争の方が高い業績をあげることが分かった。78の研究(約30)では両者のあいだに顕著な統計的差異は見つからなかった。」
引用終了 ディズニー方式が会社を変える ビル・カポダグリ リン・ジャクソン著 PHP研究所
この本にはこのようにも書かれています。
「様々な企業について綿密な調査と分析をおこなった末に私たちが出した結論は、組織運営のあらゆる面においてディズニー社に匹敵する企業は存在しないということだった。」
ここで言う「組織運営」とはまさに「楽しない運営」であると私は考えます。日本社会や日本経済を再生させるためには、トップからアルバイトまで決して「楽」をさせない「ディズニー方式」を学ぶしかないのです。
さて、堺屋太一氏は、日本は官僚主義の業界協調体制によって「最適工業社会」を作り上げたと書かれています。
この点も日本社会再生にとって重要なポイントです。
ジェットコースター死亡事故を起こしたエキスポランドなど、事故や不祥事を起こした企業などはみな「官僚主義の業界協調体制」にどっぷりとつかっていました。だから事故や不祥事が発生するのです。
ディズニー・テーマパークは全く違います。「官僚主義の業界協調体制」という「楽」な体制からは離れています。もっと言えば、「官僚や関連団体の指導、監督」は無視していると言っても過言ではありません。(法律を守っていないということでは決してありません)
このことについては、後日もう少し詳しく説明するとして、最後に挨拶に関する「楽したい主義」についてふれておきます。
私は講演で「ディズニーランドの『こんにちは』とコンビニエンスストアの『こんにちは』には決定的な違いが2つあります。お分かりになりますか」と問いかけます。
その一つをお教えしましょう。
その答です。ディズニーランドの「こんにちは」は「目を見て、ニッコリ、こんにちは」なのです。つまり、目を合わせること(アイコンタクト)ができる人にしか「こんにちは」とは言わないのです。
コンビニエンスストアの「こんにちは」は違います。全くゼロではありませんが、「目を見て、ニッコリ、こんにちは」ができる人はほとんどいません。かなり離れた場所から「いらっしゃいませ、こんにちは」と言われることもありますし、ひどい人になるとお尻を向けて「こんにちは」です。
私はいつも思います。どうしてそんなに「楽」がしたいのだろうかと。
もう一つの決定的な違いはぜひご自分で考えてみてください。
いつも、いつも、長文を読んでいただいてありがとうございます。私のブログを読むのは「楽」ではないと思いますが、このブログでこれからお送りする情報量は「本一冊」に匹敵する価値があるものと自負しています。
日本社会や日本経済を立て直し、明るい希望社会にしていくためにも、このブログをお友達や知り合いに教えてください。よろしくお願い申し上げます。
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