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鳩山氏が訪韓で外交デビュー 危うさも

6月5日20時17分配信 産経新聞

【ソウル=水沼啓子】民主党の鳩山由紀夫代表は5日、韓国の李明博(イミヨンバク)大統領とソウル市内の青瓦台(大統領官邸)で会談した。代表就任後初の訪問先を韓国にすることでアジア重視の「友愛外交」をアピールし、「次期首相候補」として、米国重視の麻生太郎首相との違いを印象づける狙いがある。だが、在日外国人の地方参政権付与問題や歴史認識などで不安を浮き立たせたともいえる。

 「考え方がかなり近いことを互いに確かめ合えた。私たちが政権を担う時は新しい日韓関係ができることを強く感じた会談だった」

 会談後、ソウル市内のホテルで記者会見した鳩山氏の表情は自信と誇りにあふれていた。

 それほど李大統領は鳩山氏を丁重にもてなした。2人だけの会談が35分間に及んだことは、李大統領が政権交代に現実味を感じている証左だといえる。

 北朝鮮問題では、鳩山氏は「日韓両国は直接的な脅威にさらされている」と指摘。李大統領は「日米韓がしっかり協力すれば、中国もその方向に動くだろう」と応じた。日韓自由貿易協定(FTA)も早期締結で合意した。

 だが、鳩山氏の外交デビューに民主党は内心ヒヤヒヤだったようだ。特に安全保障面で相手国に下手に言質を取られると政権交代後の混乱要因になりかねない。今回の随行団に前原誠司副代表や長島昭久衆院議員ら外交・安保通をずらりとそろえたのは、そんな懸念のあらわれといえる。

 鳩山氏は地方参政権付与問題でも側近議員に「次期衆院選で保守層が逃げるので触れないでほしい」とクギを刺されていたが、危うい場面もあった。

 李大統領は「鳩山代表は日韓関係や在日韓国人問題で進んだ認識を持っている」と褒め、言質を引き出そうとした。鳩山氏は直接的な言及をさけたが、「おかげで多くの民団(在日本大韓民国民団)の方々の支持をいただいている」と応じており、民団がかねて要望してきた参政権付与に踏み込んだと受け取られてもおかしくない。

 また、会談で鳩山氏は李大統領に「一部に過去の侵略行為や植民地化を美化する風潮もあるが、私たちはそのような立場をとらない。私たちは過去の歴史を直視する勇気を持っている」と断言した。この言葉の重みは鳩山氏が政権をとった後しか分からない。


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最終更新:6月6日2時5分

産経新聞

 

鳩山由紀夫

鳩山由紀夫(はとやまゆきお)
所属院 選挙区 政党:
衆議院 北海道第9区 民主党
プロフィール:
1947年2月11日生 初当選/1986年 当選回数/7回

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