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【茨城】

茨城空港ソウル便就航 経済波及効果年10億円

2009年6月5日

茨城とソウル間に来年3月就航予定のアシアナ航空A320型機(同社提供)

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 来年三月開港予定の茨城空港で、韓国・アシアナ航空がソウル便を毎日一便就航させた場合の地元への経済波及効果を県が年間十億円と試算していることが四日、分かった。当初想定していた国内四路線の就航が決まらず、波及効果も見込みを大幅に下回っている。このままでは空港開設の意義が問われそうだ。 (伊東浩一)

 国は一九九九年度、同空港の北海道、大阪、福岡、沖縄の国内路線に一日十二便運航、年間八十万人の乗降客があるとの想定で、年間経済効果を三百億円(企業立地や移動時間短縮などの効果も含む)と試算していた。

 だが、現時点で国内線の就航は決まっておらず、アシアナ航空が開港時からソウル便を毎日一便、開港から数カ月後に釜山便を週三便程度就航すると表明しているだけだ。

 ソウル便の年間予想乗降客七万七千人のうち、県は半数の三万八千五百人が韓国人で、県内に二日間滞在すると想定。韓国人訪日時の平均消費額から、経済効果額を年間十億円と試算する。同様の方式で釜山便を加えても、効果額は十四億円程度と見込まれる。

 県空港対策課は「エア・アジアXのほか香港、マカオ、フィリピンなどの航空会社の就航に努め、効果額を積み重ねたい」としているが、このまま経済効果が伸び悩めば、あらためて空港開設の妥当性の論議に一石を投じることになりそうだ。

 

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