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オードリー若林のバランス2009.05.09 Saturday
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オードリー若林のバランス
〜今月の『GetNavi』裏話ブログ〜
現在、私が連載しております、ただいま発売中の『GetNavi』、入手しましたか？
今月の「サンキュータツオの笑いの因数分解」(p90）、今回はオードリーの若林さんのツッコミについて書きました。
私は、オードリーというコンビは、この若林のツッコミがすごいと思うんですよ。
もちろん春日の「ボケ」っぷりは最高なんですけども。
すごい濃いキャラクターを、キャラに頼りきらずにどうおもしろく見せるか。
ツッコミのさじ加減が非常に難しいのに、若林のツッコミは絶妙。
詳しいことは、『GetNavi』を買って読んでみてください。
ポイントとしては、
お客さんに語りかける「心の声」のツッコミと、
春日にドツく「押し」のツッコミの使い分け
がポイント。
いろんな技術が駆使されているネタなんですが、オードリーで特徴的なのは、なによりもまず、春日のボケに対して、そのツッコミを春日にせずに若林がお客さんに語りかける、あるいは一人言にしてしまう、という箇所が特徴的でしょう。あれは若林さんの天賦の才。
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春日 みなさん、私春日は、今日もあの春日です！
若林 あのー、なにを確認したんでしょうか、わかりませんけどもね、
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若林 お前最近出会いあった？
春日 だれに口を聞いてるんだ？
若林 じゃいいやオレだけでしゃべろ
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春日 みなさん、夢でお会いして以来ですね！
若林 あのー、だいぶ寝汗かいたと思いますけれどもね
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春日：よっ！平成の！
若林：…平成のなんなのか気になりますけどもね
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春日：その前に早く服を着ろよ！
若林：…服は着てるつもりなんですけども、
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若林：満場一致で許せないと思うんですけども
普通に春日のコメカミを叩くところもおもしろいのですが、そういった「押し」のツッコミと、上の例のような「引き」のツッコミのバランスで、飽きがこないネタにしているんですよねえ。意外といませんよ、この「引き」のツッコミ。お客さんを味方につけちゃって、ボケを対象化するツッコミ。
�，如◆嶌Ｆ�もあの春日です」なんていわれたら、平凡な人は「どの春日だよ！」とか「昨日を知らねえよ！」みたいに言いますが、そうしない。
「なにを確認したんでしょうか、わかりませんけれどもね」とお客さんに言う。
お客さん目線なわけです。
ネタを二人で完結させずに、「ボケ」「ツッコミ」「お客さん」という三者で作り上げる構図、これ漫才の基本なんだなあ。
脂っこいボケであれあばあるほど、「引き」のツッコミで、内容ではなく「その人」を対象化させる。
言葉には表れていませんが、春日がボケたあと、うわって顔だけしてスルーするところなんかもあります。これなんか究極だと思うんですよね。
そして、若林とお客さんの共犯関係で、どんどん春日を浮かせていく、という仕組み。
ボケにもお客さんにも、非常に「思いやり」のある、愛あるツッコミだと思うんですよ。
そんだけ二人の距離が離れていると思うと、合間に二人で「へへへへへ」というじゃれあいがあるので、BL心をくすぐる、仲良しじゃん！みたいなおもしろさがあるわけですよ。
もともとコントやっていた人たちの発想というか、「漫才」というコントを見事にオードリー風に仕上げる。それもこれも、若林さんのツッコミ力に尽きる。この人フリートークもうまいもん。若林さんがいる限り、オードリーは長生きするコンビだと思うなあ。
オードリーに関しては語りたいことたくさんありますけれども、また別の機会に。
ひとまずは『GetNavi』、チェックしてみてね！
浅草キッドさんの連載も読めるよ！
そして猛烈に暑い「デジタル入門塾」。
すげえ雑誌だよホントに。素晴らしいオタク魂！
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