2009年4月28日 13時2分
栃木県西方町で06年6月、県警鹿沼署の男性巡査が職務質問に抵抗した中国人男性(当時38歳)に向けて拳銃を発射し、男性が死亡した問題で、宇都宮地裁(池本寿美子裁判長)は27日、男性の遺族からの付審判請求を認め、巡査を特別公務員暴行陵虐致死罪で審判に付すことを決めた。男性の遺族は07年8月、巡査を同致死容疑で刑事告訴したが、宇都宮地検は08年7月に不起訴としたため、遺族は不服として同8月に付審判請求していた。
今後、裁判所が指定した弁護士が検察官役を務め、通常の刑事裁判と同様の手続きで公判が進められる。
決定によると、巡査は06年6月23日夕、西方町の路上で、職務質問しようとした男性が逃走したうえ、石灯籠(とうろう)の一部を振り上げて抵抗したため、拳銃1発を発射し、男性の腹部に命中させて死亡させたとされる。
男性の遺族4人は県に総額約5000万円の損害賠償を求めて提訴したが、宇都宮地裁は今月23日、発砲の必要性を認め、請求を棄却している。男性の弁護団の一人である花垣存彦弁護士は「民事訴訟では、問題ある発砲行為だったと認められなかったので、今回は請求が認められ、裁判所に対して敬意を表している」と話した。【松崎真理】