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面積等分論に反対の理由 [2007年03月01日(木)]





 サハリン州の旗。中央下端には、「北方4島」が描かれていることにご注目を。




 毎日新聞が2月26日付で、北方領土の「2島+α」返還論の岩下明裕・北大教授が当面「沈黙」を決断した理由について次のような解説記事を掲載している。

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◇学者として問題提起十分にした あとは実務家が団結、交渉を

 北方領土問題の議論で昨年来、今までの4島一括返還論や2島先行返還論とは違う「2島+α」返還論が目立っている。火付け役とみられるのが、岩下明裕北海道大教授(ロシア外交)の『北方領土問題』(中公新書)だ。だが、当の岩下教授は東京・日本記者クラブで開いた15日の講演を最後に、北方領土関連の公での発言を少し控えるという。この講演を前に、岩下教授は「学者がすべき問題提起は十分にした。あとは実務家が団結してロシアとの交渉にあたるべきだ」と話してくれた。
 岩下教授の考えは「フィフティ・フィフティ」論ともいわれる。たとえば、面積最大の択捉島以外の3島を返還させるなど、日露双方の国としてのメンツ、国益、地元や旧島民の利益などを考量した上で、「島を分け合う」政治決断で問題を解決するものだ。これを現実的な妥協線だと説く論拠は、(1)日ソ国交正常化の過程では2プラスαで交渉をした(2)日本が4島返還を国論にしたのは1960年代と遅い(3)日本の関係者は択捉島以外の出身が多く、ロシア人は同島を中心に住んでいる(4)旧ソ連、ロシアは一度も4島返還を正式な政策オプションにしていない−−など多岐にわたる。
 岩下教授の著書に影響を受けたのか、昨年、麻生太郎外相は日露が4島の面積を半々で分ける解決案を示唆した。ロシアでもこれに興味を示すような高官の発言があった。
 この動きを見た一部の論者は「岩下教授が4島返還の大原則を崩そうとしている」と批判する。対する岩下教授は「日露双方に受け入れ可能な解決策の一つを事実関係に基づいて示しただけで、交渉の論理は別」と応える。(以下略)

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 岩下教授とは政府系の同じ研究会でしょっちゅう顔を合わせる仲なので、もちろん、直接お話ができるわけだが、この際、小欄で「なぜ私が面積2等分論」など「中間的」といわれる案に反対かをはっきり述べておきたい。
 
 私が反対しているのは、@こうした提案を日本側で発表するのは、1993年の「東京宣言」で、「歴史的法的事実」「両国の間で合意の上作成した諸文書」「法と正義」に基づいて領土問題の解決を図るとした「橋頭堡」を自ら捨ててしまうこと、A自らの手の内のカードを全部さらしてしまうのは、外交プレイヤーに制約を課すものであり賢明とはいい難いこと、B学術研究が国益にそぐいにくい場合の公表の仕方について責任が持てるのか熟考されたか、C中ロ国境問題と北方領土問題の違いをどこまで検討されたか、といった点である。

 諸兄姉のご高見を承りたい。
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