核問題:中国で北朝鮮への非難相次ぐ(下)
しかし、こうした反北朝鮮の世論が中朝関係の「実質的な」変化につながるかどうかは不透明だ。米中間の緩衝地帯となっている北朝鮮という戦略的な地域を、中国は簡単には放棄しないだろうという意見は多い。北京の中国政法大学のある教授は、「2006年の核実験当時、中国は『気ままに』との表現まで用いて今回よりも踏み込んだ北朝鮮批判を行ったが、中朝関係自体には大きな変化はみられなかった。中国の悩みは関係改善よりも、どうすれば第3、第4の挑発を防げるかということ」と語った。
しかし、中国は「強力な」カードを持っている。中朝物流の中心地の遼寧省丹東を封鎖すれば、北朝鮮はすぐにでも石油・食糧不足に陥る。実際、1992年から96年にかけて社会主義援助貿易を一般の国際貿易関係に転換したときは貿易が途絶え、03年の北朝鮮による核危機当時も米国の要請で三日間、石油の供給を中断したことがあった。しかし、このカードを使えば対北関係が取り返しのつかないほどに悪化する、というのが中国にとって頭を抱えるところだ。
このため、反北朝鮮の世論が強い状況では中国のカードはふさわしくないということを証明している。中国は今回の問題解決のため、人道主義的な物資の支援を中断するといった極端な措置は取らないということを、既に外交筋を通じて韓国政府に伝えたものとみられる。現地の人々によると現在、丹東と延辺朝鮮族自治州の琿春での中朝国境貿易や中国人による北朝鮮への旅行も通常通り行われているという。
北京のある外交関係者は「06年の最初の核実験と4月の長距離ミサイル発射当時、中国は国連安保理の措置について比較的迅速な外交的決断を下したが、今回は予想より時間がかかっている。中国は当分、北朝鮮を6カ国協議に復帰させることを模索し、国連安保理での制裁に関する議論を注視する可能性が高い」と語った。
北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員
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