韓国経済の不安要素は「原油・為替・北朝鮮」
韓国経済が他国に比べ相対的に急速な回復を示しているが、これは直ちに景気回復を意味するものではない。雇用・消費・生産という実体経済が依然として低迷の泥沼から抜け出せない状況で、原油価格、為替レート、北朝鮮といった隠れた不安要素も存在している。韓国開発研究院(KDI)は4日発表した経済動向リポートで、「韓国経済が全体的に停滞局面を抜け出したとは判断しにくい」と診断した。
(1)株価
原油価格の異例の上昇ペースを示している。韓国が主に輸入する中東産原油の価格基準となるドバイ原油は3日現在で1バレル=67.72ドルを付け、昨年末の最安値(36.45ドル)に比べ86%も高騰した。サムスン経済研究所はドバイ原油が下期に上期を35%上回る68.5ドルまで上昇するとみている。昨年のように原油価格が急騰すれば、輸出額よりも輸入額が増え、貿易収支が悪化し、物価不安が再燃する可能性がある。
(2)為替相場
サムスン・LG両経済研究所など民間シンクタンクは、ウォンの対ドル相場が上期の1ドル=1300ウォン台から下期には同1100ウォン台まで上昇するとみている。ウォン高は輸出企業の採算性悪化につながる。サムスン証券は今年4-6月期にウォンが対ドルで100ウォン上昇すれば、主要上場企業92社の営業利益が12%減少すると試算した。国際的な原材料価格の上昇、ウォン高は下期の企業業績悪化や金融不安の要因になる可能性がある。
(3)北朝鮮問題
北朝鮮問題は今のところ韓国経済に特に影響を与えていない。しかし、軍事衝突リスクが高まれば、経済全体の委縮を招くことがあり得る。企画財政部関係者は「北朝鮮リスクは既に『コリア・ディスカウント』に反映されている。突発事態に備え、国内外の金融市場に対する監視を強化している」と話した。
現代経済研究院の兪炳圭(ユ・ビョンギュ)常務は「北朝鮮の不確実要素が直ちに金融市場に大きな影響を与えることはないが、万一軍事的衝突が起きれば、大きな心理的な委縮をもたらす」と分析した。このほか、非正社員問題、労使紛争、所得格差拡大などの社会対立も高まり、韓国経済全体に悪影響を与えるとみられる。
鄭恵全(チョン・ヘジョン)記者
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