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欧州議会選挙:オランダ極右政党が躍進 4議席獲得へ

 【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)の欧州議会(定数736)選挙が4日投票されたオランダで、イスラム移民の排斥を掲げる極右政党「自由党」が躍進し、同国に割り当てられている25議席のうち4議席を獲得する見通しとなった。地元メディアが出口調査の結果として報じた。金融・経済危機下、欧州統合に不満を抱く層が極右支持に振れた。

 出口調査によると、自由党は、バルケネンデ首相の中道右派・キリスト教民主勢力(19.6%)に次ぐ15.3%の支持を獲得。連立与党の中道左派・労働党は13.9%にとどまった。キリスト教民主勢力は現有7議席から2議席、労働党も現有7議席から3議席それぞれ減らす見通しだ。

 自由党は「オランダのイスラム化を止める」「トルコをEUに加盟させない」と主張、移民流入やEU拡大による社会変容に危機感を抱く国民の支持を取り付けた。ウィルダース党首は4日夜、「多くの人が大欧州にうんざりし、異なったオランダを求めた」と事実上の勝利宣言をした。

 オランダ下院議員のウィルダース党首は昨年3月、イスラム教の聖典コーランを「ファシストの書」と非難する自作短編映画「フィトナ」を公開し、イスラム諸国を中心とする国際社会の批判を浴びた。欧州議会選では党の比例名簿順位最下位の10位で、本人の当選はない見通し。

 自由党躍進の背景には欧州統合の将来に対する国民の不安がある。オランダでは05年、EUの新基本条約「リスボン条約」の前身である欧州憲法の批准が国民投票で否決された。労働党のボス党首は「欧州支持の2党が最も議席を減らした」と述べ、国民の間に広がるEUへの懐疑心が敗因と分析した。

毎日新聞 2009年6月5日 10時32分

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