雨中の決戦、マリーゼ完勝
|
プレナスなでしこリーグ2009 Div.1 第7節、マリーゼは大阪府高槻市萩谷総合運動公園サッカー場に乗り込んでのアウェイゲーム、スペランツァF.C.高槻戦(以下、FC高槻)に臨んだ。
前節、ロスタイムのゴールで新潟を破ったマリーゼは、今シーズン初の連勝で順位を5位に上げた。「手応え」という実感を掴みつつあるチームは雰囲気も明るく、勢いも感じられる。今日の相手、FC高槻は、現在リーグ最下位のチームで、いまだ勝ち点を獲得できていない。マリーゼとしてはここでつまずくわけにはいかない。しっかりと勝ち切って、3連勝としたいところ。
冷たい雨が降りしきる中、14時ちょうどにキックオフ。前節と同じ先発メンバーで試合に臨んだマリーゼ。チームの好調を支えてきた布陣でペースを掴みたいところ。しかし、激しく降り続ける雨の影響か、なかなかパスがつながらない。
その状況はFC高槻も同じ。引いてカウンターを狙うものの、パスミスが多い。バタバタと落ち着かない雰囲気の中、マリーゼはいきなりのピンチを迎えてしまう。
7分、中岡のフリーキックはきれいな弧を描いてマリーゼゴールに迫る。これを見事なプレーで防いだのは増田。思い切った横っ飛びで、ボールをはじき出す。
このプレーで目が覚めたのか、マリーゼは徐々に試合のペースを握り始める。高い位置でボールをカットすると、伊藤、五十嵐らサイドの選手をうまく使いながら、シンプルなプレーでFC高槻ゴールに迫っていく。
すると22分、本間のスルーパスを受けた伊藤が、長い距離を走ってシュートを放つと、マリーゼはコーナーキックを獲得する。
上辻が蹴った、よくコントロールされたボールに、思い切って飛び込んだのは長船。ヘッドで決めてマリーゼ先制!(1-0)。前節の新潟戦でも勝ち越し弾を演出した長船の「頭」は、いまやマリーゼの貴重な武器になりつつある。
リードを奪ったマリーゼはさらに攻撃のテンポを上げていく。32分には本間とのワンツーで飛び出した伊藤が、右のアウトサイドでシュート性のクロス。さらに、直後のコーナーキックでは宮崎のヘッドでの折り返しに再び長船。そして34分、右サイドの深い位置からの五十嵐のクロスに本間が飛び込んで2-0。波状攻撃で追加点をもぎ取ったマリーゼ。
これで完全にゲームを支配したかと思われたが、前半のラスト10分、思い切って前に出てきたFC高槻に対して後手を踏み、マリーゼはゴール前に押し込まれてしまう。ショートカウンターからのサイド攻撃に苦戦。結果的に無失点で前半を終えたものの、嫌な雰囲気が漂う。
その嫌な雰囲気をハーフタイムでかき消せるのが今年のマリーゼ。後半のピッチに登場したマリーゼは、打って変わって落ち着いた攻めを見せる。後半に失点を重ねて連敗を喫した、シーズン序盤戦の反省が活きたのだろう。冷静なプレーを着実に重ねていく。
すると49分、伊藤と本間で左サイドを崩すと、最後は逆サイドに顔を出した丸山が決めて3-0。さらに58分にも、伊藤のスルーパスに反応した丸山がGKを冷静に交わして今日2点目のゴール(4-0)。
マリーゼの勢いは止まらない。61分には丸山がDFを引きつけると、フリーになった本間が決めて5-0。
一気に大量リードを奪ったマリーゼは70分、五十嵐に代えて中原を、丸山に代えて安本を投入し、さらなる追加点を狙う。
すると、77分には直接フリーキックを上辻が綺麗に決めて6-0とする。
終盤、FC高槻が反撃をみせるも、守備陣が冷静に対応。本間に代わりピッチに入った松長が中盤で献身的な守備を見せたこともあり、FC高槻に決定的な機会を与えない。
するとロスタイム、この日冴えに冴えた上辻からのフリーキックに中原が合わせて7-0。マリーゼは大量得点でFC高槻を下し、見事な3連勝を飾った。
悔しい逆転負けを喫したJEFL戦、最後に勝利こそしたものの、2点差を追い付かれてしまった新潟L戦の教訓を活かし、リードしてからも気を緩めることなく、落ち着いたゲーム運びを見せたマリーゼ。これで第一クールを4勝3敗と勝ち越しで終えることができた。まだまだ課題もあるが、着実な成長を見せたと言っていいだろう。来週から2週にわたってリーグが中断するが、さらなる上位を狙って、マリーゼらしいサッカーに磨きをかけてほしいものだ。がんばれマリーゼ!
|
菅野将晃監督
7-0という結果でした。
前半に2点リードできたこと、さらに、後半もう一度エンジンをかけなおして追加点を取れたということは非常によかったと思います。後半追い上げられてしまうのは我々の課題でもありますから。選手たちもその辺りをしっかりと意識してやってくれたことが、7-0という結果に繋がったんじゃないでしょうか。
敢えて反省点をあげるとしたら?
前半の残り10分、勢いがトーンダウンしてしまったように思います。そういう隙を見せると、相手チームに「まだやれるぞ」という意識を与えてしまう。
これで第1クールを勝ち越しで終えることになりました。
開幕前に想定していたよりも負けがひとつ多いんですが、それは、第2クール、第3クールで取り返すことができる。ベレーザに勝てたこともそうですし、3連勝できたことも、強いマリーゼに生まれ変わっていく通過点になればと思うし、そうしていかないといけないと思います。
FW 本間真喜子選手(11番)
完勝でした。
立ち上がり、ボール際で相手に押されてしまうところはありましたが、試合を通して見れば失点せずに確実なゲームができ、着実に得点をあげることができましたので、満足していい結果だと思います。
本間選手自身、2得点をあげました。
前半のゴールは、右の五十嵐からいいボールが来て、フリーだったのでしっかりと枠に入れることを意識して打ちました。後半のゴールもいいパスが来ました。そこでもフリーになれたので、確実に入れることだけを考えていました。少し緊張しましたが(笑)。
1部で3連勝というのは、マリーゼにとって初めて。これまでとの違いは?
以前は惜しい試合を落としていましたが、そこで勝つことができるようになっていると思います。ただ、JEFL戦や新潟L戦のように、リードしていても追いつかれてしまうことがあるので、まだまだレベルアップしていかなくてはいけないと思います。
第1クール勝ち越しも決まりました。
本音を言うともうひとつ上の順位にいたかったのですが、勝ち越しは最低ラインの目標でしたので、まずまずだと思います。これをしっかりと第2クールに繋げていきたいです。
MF 上辻佑実選手(8番)
今日は地元でのゲーム。勝利の感想を。
すごく嬉しいです。
7-0という結果については?
前半の終わりに相手に攻められてしまったんですが、ハーフタイムにしっかり気を引き締めて臨みました。勝つことができてよかったと思っています。
見事なフリーキックからの得点!
狙い通りだったんですけど、狙い通り過ぎてビックリしました(笑)。
今日の出来は?
うーん…わからないですけど……70点くらいですかね?
第1クールが終わりました。印象に残った試合はありますか?
やっぱりベレーザに勝った試合は嬉しかったです。
DF 長船加奈選手(26番)
7-0で完勝です。
チームが波に乗れたと思います。とてもよかった。
無失点というのも嬉しいところ。
試合前には、長いボールへの対応をしっかりしていこうと話していて、その点はできたんじゃないかと思います。チーム全体としては、前線から守備ができていたと思うし、中盤でボールを奪ってくれるシーンが多かったので、DFとしては助かったなという印象です。
見事なゴール!
来るんじゃないかなと思っていたら、いいボールが来ました。練習の成果が出たと思います。
第1クールを振り返って。
3連敗で辛い時期もあったんですが、中断前に連勝できて雰囲気もいいし、とてもよかったと思います。第2クールでは、第1クールで勝てなかった相手にも五分以上の成績が残せるよう、がんばります。
|