あらすじ
ルポライターの浅見光彦(中村俊介)は作家の内田先生(伊東四朗)から相談を受ける。それは「補陀落渡海(ふだらくとかい)」についてだった。「補陀落渡海」とは、人間を棺桶の様な小船に乗せて沖合はるかに流し、南紀の熊野那智から海を渡れば、補陀落という理想郷へ行けるという考えだ。内田の親友の大学教授の松岡(夏八木勲)は東京から和歌山の新宮大学に迎えられた。松岡には若い妻・小百合(とよた真帆)がいる。 松岡のゼミの学生たちが、その「補陀落渡海」を再現する計画中で、中止するよう説得して欲しいと浅見は内田から頼まれる。
浅見と藤田編集長(小倉久寛)は車で和歌山へ。
舟で瀞峡川下りをする浅見ら。すると、川に死体が流れてきた。遺体は「補陀落渡海」再現計画を企てている松岡の研究室助手の岳野(塩野谷正幸)の妻・マキ(野村五十鈴)だった。
「補陀落渡海」再現計画がいよいよ実行に。 渡海上人に扮した岳野が渡海船に乗り込む。沖合の綱切島まで伴船がえい航して、そこで、引き綱を切る予定だ。その後は海の藻くずとなる。
だが、実は岳野の計画はパフォーマンスで、モーターボートが岳野を救出する予定だったのだ。しかし、救出された岳野は絶命する。
解剖の結果、岳野から毒物が検出された。果たして、岳野や妻・マキの死の真相は?