北朝鮮で後継めぐる権力闘争激化か 金正男氏の側近が相次いで逮捕される
北朝鮮で、後継をめぐる権力闘争が激化しているもよう。金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男・正雲(ジョンウン)氏への後継体制づくりが始まったと伝えられる中、長男・正男(ジョンナム)氏の側近が相次いで逮捕され、正男氏に関連する場所の捜索が行われたことがわかった。
朝鮮半島の消息筋によると、4月以降、北朝鮮国内にいる正男氏の複数の側近が、通貨偽造などの容疑で相次いで逮捕され、正男氏に関連する場所の捜索が行われたという。
また、これに前後して、正男氏に対する北朝鮮からの送金も途絶えているもよう。
こうした動きは、正男氏支持グループを追い落とそうとするもので、正雲氏と後見役の張成沢(チャン・ソンテク)氏が、後継体制を固めるために行っているものとみられる。
2009年3月、正男氏は「(金総書記のあとを継承する?)それは誰にも断言できません。父だけが決定することです」と話していた。
一時は後継者候補とみられていた正男氏だが、現在は、父親である金総書記との連絡も自由に行えない状態だと伝えられている。
このため、正男氏は「ピョンヤンに戻っても、身の安全が保証されない」として、2009年1月末以来、一度も北朝鮮に戻らず、海外での滞在を続けているとみられている。
(06/05 13:34)