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『ウルトラミラクルラブストーリー』
松山ケンイチ インタビュー
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形は変わっても、“精神”は残ると感じた
- 『デスノート』の名探偵L、『人のセックスを笑うな』の恋する青年、『デトロイト・メタル・シティ』のポップアーティストを夢見る大学生など、幅広い役柄に挑戦し続け、次々と新たな一面を見せてくれる松山ケンイチ。異色の恋愛映画『ウルトラミラクルラブストーリー』に主演した彼に、映画について、そして俳優という仕事の魅力について話を聞いた。
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- ──台本を初めて読んだ時の感想は?
- 松山ケンイチ(以下、松山):変わった話だな、と思いました。どのジャンルにも属さないというか……。一回読んだだけではどういう作品か分からなくて、監督(横浜聡子)の前作(『ジャーマン+雨』)を見せてもらいました。前作もジャンルにはまっていない感じがして、人が持つエネルギーや生命力が強く出ているのが印象的でした。それが監督の世界観なんだな、と。それで、ぜひ挑戦してみたいと思ったんです。もちろん魅力的なキャラクターだったし。
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- ──松山さんが演じた主人公・陽人(ようじん)のキャラクターについて教えてください。また、監督からはどんな説明がありましたか?
- 松山:最初、破滅していく人だな、と思いました。真っ直ぐで素直で純粋で、(麻生久美子演じる)町子先生が好きだという気持ちを強く持っている人間です。演じてみて、そういう人が奇跡を起こすんだろうな、と思いました。監督には、映画に出演している子どもたちの動きをよく見てほしいと言われました。一カ所に落ち着かず、子どもの性質をたくさん持っている人物なので。それから、(『ポンヌフの恋人』に主演した)ドニ・ラヴァンの演技を見てくださいと言われました。陽人と同じ匂いがするからということでした。また、いつもいろいろなことを試したがって遊んでいる人間なので、それを意識してほしいとも。僕自身、同じ芝居はあまりしませんし、いろいろ試したいと思っているので、演じていて楽しかったですね。
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- ──横浜監督は、松山さんと同じ青森県出身ですが、出演してみた感想は?
- 松山:表現力がすごいと思います。そして、生命力を感じさせる演出が素晴らしい。見ている人をポジティブにさせますよね。同じ青森県出身ということで、最初から親しみを感じ、安心感がありました。監督は準備でいろいろと大変だったと思いますが、とてもいい環境で、スムーズに演じられた気がします。
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- ──陽人のセリフは全て津軽弁で、方言指導もついたということでしたが、演じてみていかがでしたか? また、青森が舞台の映画に出た感想は?
- 松山:青森県でも地域によって方言が違い、僕が生まれ育ったのは下北弁を喋る地域。下北弁はイントネーションは違うけれど、単語は標準語に近いと思います。でも、津軽弁は単語自体が違ったりしますね。この映画に出演したいと思った理由のひとつが、青森県が舞台だったから。めったにない機会なので、ぜひやらせてもらいたいな、と。青森には休みでしか帰っていなかったので、実際、撮影してみると、すごく不思議な気持ちでした。でも、青森の青年を演じるのは、僕にしかできないと思っていたので、思い入れも強かったし気合いも入っていました。出身地を見せることはとても恥ずかしい気もしますが、お客さんに胸を張って見せることができる最高の作品にしたいと思って演じていました。だから、こういう作品に仕上がってすごく満足しているし、他では撮れないものになったんじゃないかと思っています。
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- ──監督は、この作品に“希望”を込めたと言っていましたが、松山さんはどう感じましたか?
- 松山:形は変わっても、“精神”は残るということを感じました。見てもらいたいのは、陽人の前向きな姿勢。すごくストレートで、好きな人にストーカーまがいのこともしてしまうのですが、彼のように強い気持ちはなかなか普段の生活では持てない。僕自身、やはり人目を気にしてしまうところがあるし。でも、陽人にはそういう躊躇はなく、自由で強い。そういう部分を見習いたいし、お客さんにも見てもらいたいですね。
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- ──陽人が恋する町子先生を麻生久美子さんが演じていますが、共演した感想は?
- 松山:陽人のめちゃくちゃなキャラクターを普通に受け止めることができる女優さんはなかなかいないので、町子先生は麻生さんじゃなければあり得なかったと思います。器の大きさを感じる女優さんで、だからいろいろな監督から愛されるし、他の俳優からも必要とされるのだと思います。ぜひまた共演したいと思いました。
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- ──個性的な役に次々と挑戦していますが、どういう基準で脚本を選んでいるのでしょうか?
- 松山:正直、台本を選ぶということはほとんどないんです。同じ時期にそこまで仕事の依頼があるかというと、そういうわけではないので。来た仕事をちゃんとやっているうちに、様々なキャラクターを演じることができたわけです。それはすごく幸せなことですし、これからもそういう仕事の仕方をしていきたいと思っています。
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- ──撮影中、オフの時間をどのように過ごしていましたか?
- 松山:休みの時に1度実家に帰りました。それから、ロケ現場が祖母の家のそばだったので、早めに撮影が終わった時には家に行ったり一緒にご飯を食べたりしました。共演者の方々と食事にも行ったし、スタッフさんとパチンコに行ったりもしました。
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- ──陽人は、恋愛に対して真っ直ぐに進んでいくタイプですが、松山さん自身はどうですか?
- 松山:時と場合によりますね。これ、というパターンはないです。
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- ──理想の恋愛像について教えてください。
- 松山:う〜ん……。お互い、ポジティブに前向きに生活できるようになれればいいと思います。
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- ──俳優という仕事で難しさを感じたりはしますか?
- 松山:一番大変なのは、面白いことがどんどん出てきてしまうので、休む暇がなくなってしまうところです。演じることが本当に楽しいので、自分自身に戻る時間がなくなってしまう。いろいろな役柄に魅力を感じるし、役についていつも考えてしまうので、プライベートな時間を大事にできなくなってしまうんです。病みつきになっちゃうので、注意しないといけないですよね。
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(09/6/4)
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まつやま・けんいち
1985年生まれ。青森県出身。モデルを経て、黒沢清の『アカルイミライ』(03)で映画デビュー。『男たちの大和/YAMATO』(05)で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。『デスノート』シリーズで大ブレイク。『椿三十郎』(07)『人のセックスを笑うな』(08)などに出演。今後、主演作『カムイ外伝』『ノルウェイの森』が公開される。
松山ケンイチ インタビュー動画を見る
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『ウルトラミラクルラブストーリー』
2009年6月6日よりシネカノン有楽町2丁目ほかにて全国順次公開
(C) 2009「ウルトラミラクルラブストーリー」製作委員会
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