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カニカマ

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(最終更新 2007年9月6日 (木) 12:23。)
画像:Kanikama.jpg
一般的なカニカマ

カニカマとは、色や形・食感をカニの身に似せたかまぼこ魚肉練り製品)のこと。かに風味かまぼこともいう。

目次

概要

この種の製品の名称は、JAS法の品質表示基準によれば「風味かまぼこ」または「風味かまぼこ(かに風味)」と記載することができる。

しかし、カニ肉は入っておらず、原料はスケトウダラである。ほとんどのメーカーは海外であらかじめすりみ(擂り身)にして冷凍した輸入冷凍すりみを主原料としている。

最外層の赤色は食品添加物の食用色素である天然着色料のモナスカス色素(紅麹色素)、コチニール色素、トマト色素などで、カニの香りと味は、同じく食品添加物香料(フレーバー)とカニ抽出物(かにエキス)でつけられている。

冷凍すりみを急速に解凍し、もう一度冷凍すると、カニの足と同じような繊維ができる。すり身に含まれた水分が、一定の方向に向かって流れるようにすると、よりカニに似る。

食品スーパー回転寿司店などで見かける大量生産型のカニ風味かまぼこは、切れ目を入れたシート状のかまぼこを、ロール状に巻くことで製造しているものが多い。

また、近年は消費者の本物志向や高級志向もあってか、本物のカニ肉が使用されたカニカマも少数ながら見受けられる。

歴史

1973年(昭和48年)に石川県七尾市の水産加工メーカーであるスギヨが、着色・着香した蒲鉾を細く裁断した商品である「珍味かまぼこ・かにあし」を発売したのが最初である。

スギヨの三代目社長杉野芳人が、コンブから取れるアルギン酸で人工クラゲを作ろうとしていたところ、その失敗作がカニの触感に似ていることに気づき、人工カニ肉の製作を思いつく(アルギン酸ナトリウムの溶液はカルシウム溶液に入れると凝固する性質があり、人造イクラも同じ製法で作られている)。試行錯誤の末、「珍味かまぼこ・かにあし」を開発し発売したものの、「インチキだ」などとスギヨに苦情が寄せられた。しかし、杉野はこの消費者の声を逆手にとり「カニのようでカニでない」とのキャッチコピーで、あくまでも「アイディア商品」として広告宣伝活動を行った。これが功を奏し、全国的に大ヒットすることとなる。

このカニカマ誕生秘話は、2007年(平成19年)日本テレビ系列テレビ番組未来創造堂」の中でも紹介された。ちなみに、「珍味かまぼこ・かにあし」は、取り出されたカニの身のような蒲鉾が、プラスチックパックの中に入れられていた。

1974年(昭和49年)には、広島県の水産加工メーカーである大崎水産が、現在もっとも一般的な形状である、棒状のカニ風味カマボコ「フィッシュスチック」を発売し大ヒットを収めた。この商品は業務用を中心に現在も発売が続くロングセラーとなっており、築地場外市場や大阪天満市場、広島県内の食品スーパーなどでは一般個人客でも購入することができる。

世界での普及

カニカマは世界各地で安値で食べられるサラダなどのトッピングとして人気食品のひとつで、日本からの輸出も盛んであった。しかし、EUアメリカの水産食品製造施設へのHACCP導入により、対応できる日本の企業が限定されること、現地生産の増加、BSE等の影響で輸入冷凍すり身の高騰したことなどから輸出は減少傾向となり、現在海外では韓国製のものが多く流通している。

EUアメリカでは肉より魚を食べる方が良いとされるヘルシー志向により、このカニカマも人気が上昇している。むしろ日本よりも広いジャンルで積極的に使用されており、日本食ブームが続いていることも追い風となって、世界的な消費量は拡大を続けている。カニカマを指す「スリミ(surimi)」という単語も定着している。フランスではこのスリミと野菜類を普通のフランスパン(バゲット)よりも柔らかい食感のスエードワ(スウェーデン風パン)で挟んだものを「スウェーデン風サンドウィッチ」と称して街のパン屋などで広く売られている。またアメリカには"KANI"という商品名のカニカマも存在しており、スシバーなどでは蟹を意味するcrabに対して、kaniと言えばカニカマのことを指すという誤った用法が定着している地域もある。

中国では日本から技術導入した工場が現地製造している。「人造蟹柳 レンザオシエリュウ rénzào xièliǔ」などと呼ばれるが、鍋料理など、各種の中華料理に加工されて普及してきているので、「蟹柳」と書かれている料理を注文する際には、本物のカニ肉を使ったものかどうか確認が必要となっている。

関連商品

類似商品にエビカマもあったが、ほとんど見られない。同じく類似商品であるホタテ風味かまぼこは現在も少量ながら製造販売されている。

関連項目

外部リンク

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