俳優・三國連太郎(86)が4月下旬に「心筋梗塞(こうそく)の疑いあり」と診断され、緊急カテーテル手術を受けていたことが4日、分かった。北海道中標津町で行われた映画「釣りバカ日誌20 ファイナル」(12月26日公開)の会見で明らかにした。術後の経過は良好という。今作が88年から続いたシリーズの最終作になるが、主演の西田敏行(61)は「感慨もひとしおで、とても胸に迫るものがあります」、三國も「僕にとって生涯の仕事だった」と互いに万感の思いを口にした。
◇ ◇
突然の、そして衝撃の告白だった。会見中に「実は…」と自ら切り出した三國は「こないだ、心筋梗塞になりまして」と続けて緊急手術を受けていたことを明かした。
やはり03年に心筋梗塞で緊急入院した経験がある西田が「要するにカテーテルをお入れになったということです」とすかさずフォロー。「こういうことでも縁が深いなあと思います」と三國が言えば、西田も「心筋梗塞仲間です」と笑わせた。
関係者によると、三國はクランクイン直前の4月24日に検査を受けたところ、心電図の波に異常が見られて緊急手術が決定。三國には自覚症状は一切なかったという。
同28日に都内の病院でカテーテル手術。翌29日には心電図が正常となり、医師から撮影参加の許可が出たという。西田は「僕と同じ病気と思えないくらいスマートでいらっしゃる。僕の場合は七転八倒、家族は右往左往でした」と解説。三國の体内には現在も3本のカテーテルが入っている状態だが、経過は良好で、撮影も予定通り順調にこなしているという。
実は、この北海道ロケが三國の命を救った格好だ。三國は大の飛行機嫌いで、シリーズ第11作の沖縄ロケ以外はすべて陸路で移動。今回も陸路を検討したが、時間的な問題から断念。念のために受けた検査が思わぬ結果を招いたのだった。
会見中も笑いを取ったように、西田演じる“ハマちゃん”と三國の“スーさん”の抜群のコンビネーションは健在。しかし、これが同シリーズ最終作となる。
西田は「引き際が大事ということもあり、決して後悔しない結論であると、僕らも納得しています」と説明し「最後も必ずすばらしい作品になります」とPR。9月の完成後は公開に向けて、北海道から沖縄まで過去全作のロケ地で御礼キャンペーン行脚が検討されている。