常陸風土記を読む。
1 風土記とは
(2007年4月1日第1版第1刷印刷・・・沖森卓也・佐藤 信・矢嶋 泉編著・・山
川出版社)栃木県立図書館所蔵の「常陸国風土記」を宇都宮市立図書館を通じて借り
て一読した。
それは、研究課題の日本武尊に関する記事が掲載されていることを知り、その内容
を把握するためです。
資料によると、特定の「風土記」とは、元明朝の和銅6年(713)の中央官名に基づい
て、地方各国庁で筆録編述した所名事項の報告文書と云う意味での風土記と云うこ
とです。
現在の風土記は
�―弍盛馼�土記 ��播磨国風土記 ��常陸国風土記 �に�後・肥前国風土記
�ド�土記逸文
の5風土記だけで、その他は古書に引用された「逸文」として知られています。逸
文の採集は、江戸時代になってから始められました。
※残念ながら『下野風土記』はなかった。
2 日本武尊に関する記載事項
�� 信太郡(東は信太流海、南は榎浦流海、西は毛野河、北は河内郡なり。)
80 古老曰へらく、「倭武天皇(やまとたけるのすめらみこと)、海辺に巡幸でまし
て、乗浜に行き至りたまひき。・・・・の記載がある。
その他、茨城郡、行方郡、香島郡、久慈郡、多珂郡などの地域に倭武天皇の足跡の
記載がある。
3 風土記の補注
倭武天皇・・・・『古事記』には、「倭建命」、『日本書紀』には「日本武尊」
とあり、景行天皇の皇子。『常陸国風土記』では、総記のほか信太・茨城・行方・
香島・久慈・多珂の各郡に「倭武天皇」の呼称が見える。因みに、ヤマトタケルを
天皇としは扱わない『古事記』でも、ヤマトタケルについて天皇に準ずる待遇表現
が用いられていることから、記紀に見えるような皇統譜の定着以前に、ヤマトタケ
ルが天皇であつた段階があったと推測する説もある。しかし、『古事記』に即して
いえば、ヤマトタケルが特別な待遇表現をもって記述されているのは、ヤマトタケ
ルの子タラシナツヒロが仲哀天皇として即位しているため、天皇に準じて待遇され
たものと考えるべきである。『常陸国風土記』の「倭武天皇」も『古事記』と同じ態
度からの呼称と見られる。
４ 考察
●第12代景行天皇の皇子は倭建命(ヤマトタケルノミコト)であることから、東征の
ために常陸国に来訪したと思われる足跡が確認できた。
1 風土記とは
(2007年4月1日第1版第1刷印刷・・・沖森卓也・佐藤 信・矢嶋 泉編著・・山
川出版社)栃木県立図書館所蔵の「常陸国風土記」を宇都宮市立図書館を通じて借り
て一読した。
それは、研究課題の日本武尊に関する記事が掲載されていることを知り、その内容
を把握するためです。
資料によると、特定の「風土記」とは、元明朝の和銅6年(713)の中央官名に基づい
て、地方各国庁で筆録編述した所名事項の報告文書と云う意味での風土記と云うこ
とです。
現在の風土記は
�―弍盛馼�土記 ��播磨国風土記 ��常陸国風土記 �に�後・肥前国風土記
�ド�土記逸文
の5風土記だけで、その他は古書に引用された「逸文」として知られています。逸
文の採集は、江戸時代になってから始められました。
※残念ながら『下野風土記』はなかった。
2 日本武尊に関する記載事項
�� 信太郡(東は信太流海、南は榎浦流海、西は毛野河、北は河内郡なり。)
80 古老曰へらく、「倭武天皇(やまとたけるのすめらみこと)、海辺に巡幸でまし
て、乗浜に行き至りたまひき。・・・・の記載がある。
その他、茨城郡、行方郡、香島郡、久慈郡、多珂郡などの地域に倭武天皇の足跡の
記載がある。
3 風土記の補注
倭武天皇・・・・『古事記』には、「倭建命」、『日本書紀』には「日本武尊」
とあり、景行天皇の皇子。『常陸国風土記』では、総記のほか信太・茨城・行方・
香島・久慈・多珂の各郡に「倭武天皇」の呼称が見える。因みに、ヤマトタケルを
天皇としは扱わない『古事記』でも、ヤマトタケルについて天皇に準ずる待遇表現
が用いられていることから、記紀に見えるような皇統譜の定着以前に、ヤマトタケ
ルが天皇であつた段階があったと推測する説もある。しかし、『古事記』に即して
いえば、ヤマトタケルが特別な待遇表現をもって記述されているのは、ヤマトタケ
ルの子タラシナツヒロが仲哀天皇として即位しているため、天皇に準じて待遇され
たものと考えるべきである。『常陸国風土記』の「倭武天皇」も『古事記』と同じ態
度からの呼称と見られる。
４ 考察
●第12代景行天皇の皇子は倭建命(ヤマトタケルノミコト)であることから、東征の
ために常陸国に来訪したと思われる足跡が確認できた。
