プロへの第一歩をしるす契約の場でも、“石井流”を貫いた。人気テレビ番組「徹子の部屋」のテーマ曲が流れるなか、頭に司会者黒柳徹子(75)のトレードマーク「たまねぎヘア」のかつらをつけて登場。集まった約3000人のファンから大爆笑を誘った。
「戦極では素晴らしい試合をやって、世界王者になりたいと思います」。東京・新宿アルタ前のオープンスペースで行われた調印式は厳かな雰囲気に包まれ、真面目な表情に戻り、粘着テープで留めていたかつらを外した。契約書を掲げた石井からは笑みが消え、プロ格闘家になったことを実感した様子。
その後に行われたイベントでは、吉田から「リングに上がったら先輩、後輩は関係ない」と将来的な対決を持ちかけられた。さらに、「出ろといわれれば出る」と、8月2日の「戦極第九陣」(さいたまスーパーアリーナ)でのデビューへ意欲をみせたが、関係者によれば、時間をかけて育成する方針という。リング上でのマイクアピールや、エキシビションマッチなどにとどまりそうだ。
「柔道をキッパリやめて格闘技へいった。今後は一切着ない」。柔道家としての誇りを胸に道着を身につけて試合に臨む吉田とは対照的に、畳の世界との完全決別も宣言した。(江坂勇始)