前時津風親方の退職金請求　協会は５月１５日に拒否していた

　大相撲の序ノ口力士暴行死事件で傷害致死罪に問われ、１審で懲役６年を言い渡された前時津風親方の山本順一被告（５９）＝控訴＝が、日本相撲協会に約２０００万円の退職金を請求したことに対し、協会は４日、５月１５日に支払いを拒否する回答をしたと発表した。

　２００７年１０月に解雇された山本被告は、４月２７日に退職金の支払いを求めてきた。これに対し協会は「山本氏の行為及びその結果により計り知れない損害を被った」との理由で、突っぱねた。同被告の弁護士事務所は「取材は受けません」としているが現在まで、協会に返答は届いていない。

　協会は２月、解雇とした親方、力士に対しては退職金を支給しないか減額できるよう寄付行為を改正した。だが、山本被告の解雇は改訂前のため、支払い義務が発生。これを理由に提訴に踏み切る可能性もある。

　武蔵川理事長（元横綱・三重ノ海）は「その時は弁護士と相談する」と慎重だが、ある幹部は「訴えてきたら、こちらは名誉棄損で損害賠償を求める。協会、各部屋がどれだけつらい思いをしたか」と、きっぱり。徹底抗戦する方針を明かした。