6月6日より、「企業買収」をテーマにした映画『ハゲタカ』が公開する。本作は、NHKの連続ドラマが映画化されたもので、原作は経済小説の旗手、真山仁の同名小説。
今回の劇場版は、テレビドラマの続編という位置づけになっており、経済発展の進む中国ファンドの躍進や日本老舗自動車メーカーの危機、リーマン・ショックの舞台裏、派遣切りなど現代社会の問題を色濃く反映したストーリーが展開されている。
タイトルの「ハゲタカ」とは、瀕死の企業を安く買収し、リストラや組織改造を進めて企業を解体して利益にしていくファンドや投資家の通称。死期の近い小動物などの上を飛び回るハゲタカを連想されることから、その名が付いている。
連続ドラマは2007年2月17日から3月24日まで全6話が放送。作品のクオリティーの高さが評価され、国際番組コンクールの「イタリア賞」など国内外で数々の賞を受賞している。
劇場版は、連続ドラマとほぼ同じキャストとスタッフで作られており、内容も「企業買収」が軸になっているが、今回の映画化に際して特筆すべき点が2つある。
一つは、NHKの連続ドラマを初めて映画化したこと。朝ドラや大河ドラマなど人気コンテンツを持つNHKが今後ドラマの映画化を積極的に進めていくのか、気になるところだ。
もう一つは、リーマン・ショックの影響により映画の内容を製作段階で大きく変えたこと。今の時代に即した内容に変えたことでよりリアルなドラマとなっているのだ。
映画『ハゲタカ』の企画・製作を行ったNHKエンタープライズに、映画製作の現場でどのようなことが起きたのかを聞いた。