医療介護CBニュース -キャリアブレインが送る最新の医療・介護ニュース-

医療介護CBニュース


政府(厚労省他)


プライマリー・バランスの黒字化目標「達成は困難」―財政審

ソーシャルブックマーク: Yahoo!ブックマークにに追加 はてなブックマークに追加 この記事をlivedoorにクリップ! この記事をdel.icio.usに登録する

 財務相の諮問機関である「財政制度等審議会」の西室泰三会長は6月3日の記者会見で、「2010年度予算編成の基本的考え方について」(春の建議)に「2つ意味(の要望)がある」とし、具体的に「『骨太の方針2009』の作成をしっかりと財政規律を確保できるような形で考えること」と、「来年度予算の作成に当たって、大きな意味での方針が『骨太の方針2006』から外れないこと」を挙げた。ただ、06年の「骨太の方針」で掲げられた11年度までのプライマリー・バランスの黒字化目標の達成については、建議の中で「困難と言わざるを得ない」としている。

【関連記事】
診療報酬改定プロセスの見直しを−財政審
新たな財政健全化目標、骨太に提示へ
安心回復、10年代半ばまでに−諮問会議が具体策
社保改革推進の方向性を骨太方針に反映―政府懇談会
医療・介護含む「優先課題」を提示―安心社会実現会議

 建議では、政府が06年の「骨太の方針」で掲げた11年度までのプライマリー・バランスの黒字化目標について、「昨今の経済・金融情勢の悪化に伴う税収減などにより、プライマリー・バランスは悪化し」、「現行のプライマリー・バランスの黒字化目標の達成は困難と言わざるを得ない」と指摘。「新たな決意を持って、財政再建に取り組まなければならない」とした。その上で、「歳出・歳入一体改革により財政健全化に取り組むとの『経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006』の基本的な考え方の重要性はいささかも変わらず、むしろ一層高まっている」との考えが示された。
 社会保障分野の10年度予算についても、「医師確保対策など必要な対応は行う必要がある」としながらも、「他の分野と同様、ムダ・ゼロの徹底、効率化・合理化などの不断の改革努力は必要であり、『基本方針2006』などでも示されている歳出改革の基本的方向性は維持する必要がある」としている。

 社会保障費の抑制については、政府が06年の「骨太の方針」で社会保障費を毎年2200億円抑制する方針を示しているが、西室会長は「金額を決めて、実際の伸びに対してその金額を抑制しろということを主張する時代ではなくなったと認識している」と述べた。
 一方で、社会保障給付などのために「本当に消費税の増税まで必要なレベルの財源の確保というのも一方、本当に大事なんだろう」との見方も示し、消費税の増税をした場合、それを財源とした「もっと厚めの少子・高齢化対策は考えられる」とした。ただ、「いたずらに水膨れするような増加はいけない」とし、「余計な経費を使わないで、それでもっといい医療が受けられるようにする方法というのが当然あるだろうから、それを考えてほしいというのを今度の提言で具体的に書いてある」とも述べた。

 また「医療」について建議では、地域間、診療科間、病院・診療所間における医師の偏在を是正する方策として、医療費配分の見直しを挙げている。この中で、中央社会保険医療協議会(中医協)の在り方などに関して踏み込んだ提言を行っていることについて、「反発が予想されるのでは」との質問に対し西室会長は、「何か言うと必ず、いろいろ反発があるのは事実だ」としながらも、「それを避けていたのでは、私どもとしては、意見というものは出せないことになってしまう。角が立つ部分はあるかもしれないが、本当のところはこうした方がいいんじゃないかということを建議にまとめた」と説明した。


更新:2009/06/04 22:48   キャリアブレイン

この記事をスクラップブックに貼る


注目の情報

[PR] 医師の転職ならCBネット

ログイン-会員登録がお済みの方はこちら-

CBニュース会員登録メリット

気になるワードの記事お知らせ機能やスクラップブックなど会員限定サービスが使えます。

一緒に登録!CBネットで希望通りの転職を

プロがあなたの転職をサポートする転職支援サービスや専用ツールで病院からスカウトされる機能を使って転職を成功させませんか?

キャリアブレインの転職支援サービスが選ばれる理由

【第63回】アキよしかわさん(グローバルヘルス・コンサルティング米国会長) 病院同士のベンチマークを駆使したコンサルティングの先駆けとして知られるグローバルヘルス・コンサルティングのアキよしかわ米国会長は、200床クラスの中小病院が今後、生き残りを図るのはかなり厳しい状況だとみる。より大規模な病院が ...

記事全文を読む

 島根県医療対策課の木村清志・医師確保対策室長は、週末になると頻繁に全国各地へ出掛けて行く。県内の医療機関での勤務に関心を持つ医師に会ったり、医師確保に関するアドバイスを関係者から受けたりするためだ。もともとは総合診療医として県立病院に勤務していたが、地域の医療機関が医師不足にあえぐ中、5年前に現職 ...

記事全文を読む

新機能のお知らせ


会社概要 |  プライバシーポリシー |  著作権について |  メルマガ登録・解除 |  CBニュースについて |  広告掲載ついて |  スタッフ募集