おくすり最前線

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〔改正薬事法の概要〕(これまでと今後)

 ●その他にも、改正薬事法によって身近にこのような変化があります
 
 

○改正薬事法で変わるその他の内容

 

改正薬事法では、その実施ルールを定めた省令を含めると、実に多くの販売ルールが設けられています。生活者・消費者の皆様に関係する内容について述べます。

 

(1)専門家不在時に医薬品売場を閉鎖します

 薬剤師が不在で登録販売者がいる場合は第1類医薬品売場を閉鎖、薬剤師も登録販売者も不在時には医薬品売場全体を閉鎖します。

 閉鎖方法はいろいろですが、不在時および閉鎖時には「不在表示板」をかかげ、医薬品の販売または購入ができないことを知らせます。不在時の販売および購入は薬事法違反となりますので、専門家のいる店舗でご購入下さい。

 

(2)名札と着衣

だれが薬剤師なのかわからないという声に対し、今回の法律では薬剤師・登録販売者を名札で明記し、着用させることになりました。名札着用の義務に対して、業界ではこの名札に加え、義務ではありませんが白衣などの着衣についても生活者・消費者に専門家がわかりやすくするための一定のルールを定め、実施することになりました。

 
 
 

(3)制度内容についての店内掲示

 

改正薬事法の内容および施行のための省令内容について、店内に掲示します。

 これによって医薬品を購入または使用する方が、どんな医薬品を選んだら良いか、どんな情報が得られるか、異常があったらどう対応すれば良いかなどの詳細が知らされ、医薬品の正しい選択・購入・使用が可能になります。

 これらの内容の掲示によって医薬品の販売が全国統一的なものとなり、さらに制度の実施チェックについては、これまでの役所だけでなく、生活者・消費者も行うことができるようになります。

 その一方で、この制度を活用し、被害をおこさない努力が、販売業者だけでなく生活者・消費者にも求められることになります。

 
 
 

○経過措置

販売制度改正内容があまりにも多くあることもあり、既存の一般販売業、薬種商販売業、配置販売業の事業者には、その対応のための経過措置期間が設けられています。

しかし、改正薬事法の施行日(平成2161)より、既存販売業であっても経過措置をとらないですぐに実施しなければならないものがあります。(配置販売業除く)

 

経過措置をとらない主な内容は次のとおりです。

 

(1)リスク別陳列 ― リスク別パッケージ表示による陳列

(2)リスク別情報提供および相談応需体制と実施

(3)専門家の名札の着用(専門家の区別)

(4)その他(あまり生活者・消費者には関係のない内容です)

 

その他の経過措置内容については、医薬品販売業者にとっては、経過措置期間(3年)は義務が生じませんが、医薬品の閉鎖や店内掲示など、医薬品購入者にとって必要なものは、なるべく早くから対応していきます