これまで医薬品を提供してきた薬業界は、こうした高まる「安心・安全」に対する国民の要求と大衆薬の新しい役割について、多くの議論を重ねてきました。
改正薬事法をよく研究して下さい。一部の報道で言われているような、厚生労働省の省益や業界保護的な制度でないことがすぐわかります。
天下りについて問題視されている現在、市販薬の制度改正および将来的な使用についての改正薬事法が、厚生労働省の役人にとって、どんな利益があるのでしょうか。(天下りの事業所がつくられたり、関係団体に新しい事業がおこったり、おこるような内容は一切ありません。)
地方自治体の薬務課や保健所職員にも、多くの業務が発生することになります。登録販売者試験への対応や許可変更、さまざまな届出への対応など、その対応すべき内容の多さと複雑さを考えると、さすがに頭が下がる思いです。
また、今まで自由にやり放題であった大衆薬販売業者に、これだけの販売ルールを行わなければならないことになったことに対し、販売業者にどれだけのメリットがあるというのでしょうか。(多くの取扱いや販売に関するルール、取扱い医薬品の規制など良く調べてみてください。これまで一般販売業で取り扱えた医療用医薬品は、今後の店舗販売業では取り扱いが出来なくなります。)
この改正薬事法は、私の知る限りでは、稀に見る「国民主体」「将来的展望」に立った、行政と業界の決断と行動ではないでしょうか。
今わが国の薬業界は、この制度の対応に大変な投資と行動を行っています。
叩かれ続けている厚生労働省の役人も、自分たちの将来をかえりみず政策を信じて頑張っています。地方行政の方々も実に多くの対応を行っています。私自身、厚生労働省や地方行政と長年戦い続けてきた者ですが、このたびの改正薬事法にかける熱意と努力は固く信じられるものがあります。
また、この制度は、生活者(国民)の参画と責任が強く求められます。この制度をよく知り、より「安全で」「便利に」「効果的に」医薬品を自己責任として使用することが、生活者に求められるのです。
まさに、この改正薬事法は、私たちの将来の世代ため、国民、行政、業界の「三方一両損」の制度だといえるのではないでしょうか。
必ずや、この改正薬事法が将来の生活者や子供たちに評価されることを信じて、携わっている方々は歯をくいしばって頑張っているのです。
~すべては国民・地域生活者のために~