ゲイツは、2008 年 6 月 27 日に経営の第一線から退き、ビル アンド メリンダ ゲイツ財団（Bill & Melinda Gates Foundation）での活動を中心に世界の健康と教育の課題に取り組んでいます。また、マイクロソフトの会長として、主要な開発プロジェクトの相談役を引き続き務めます。2006 年 6 月に、レイ オジーがこれまでゲイツが務めていたチーフ ソフトウェア アーキテクトの職務に就き、マイクロソフトの全テクニカル アーキテクチャーおよび製品開発を監督する役割をゲイツから引き継ぎました。同時にクレイグ マンディが、新たに設けられた最高研究戦略責任者（Chief Research and Strategy Officer）の職務に就き、マイクロソフトの研究活動や新技術の育成を推進しています。

　ビル ゲイツは、1955 年 10 月 28 日に生まれ、2 人の姉妹と共に、米国ワシントン州のシアトルで育ちました。父ウィリアム H. ゲイツ 2 世は、シアトルで弁護士業を営んでいます。今は母 メアリー ゲイツ（故人）は、教員、ワシントン大学の評議委員、および国連 NGO の United Way International の会長を務めていました。

　ゲイツは、公立小学校に通学し、後にノース シアトルの私立レイクサイド スクールに進学しました。レイクサイド スクール在学中にパーソナル コンピューター向けソフトウェアに関心を持ち、13 歳の時にコンピューター プログラミングを始めました。

　ゲイツは、1973 年にハーバード大学に入学しました。そこで彼は、マイクロソフト コーポレーションの現 CEO であるスティーブ バルマーと同じ寮の同じフロアに住んでいました。ハーバードに在学中、ゲイツは、プログラミング言語 BASIC を初代マイクロコンピューターである、MITS Altair 向けに開発しました。

　1999 年に、ゲイツは著書「Business @ the Speed of Thought」（邦題：「思考スピードの経営―デジタル経営教本」）を発表し、コンピューターテクノロジーがビジネス上の問題をいかに根本的に新しい方法で解決するかという点について説明しました。同書は 25 の言語および 60 カ国以上で出版されました。「Business @ the Speed of Thought」は広く称賛され、ニューヨーク タイムズ、USA Today、ウォール ストリート ジャーナル、そして Amazon.com のベストセラー リストにリストアップされました。1995 年に出版されたゲイツの前作「The Road Ahead」はニューヨーク タイムズのベストセラー リストにおいて 7 週に及んで第 1 位の座を維持しました。

　ゲイツは両方の著書から得た収益を、テクノロジを利用した教育やスキル向上を支援する NPO（市民活動団体）に寄付しています。

　コンピューターやソフトウェアへの情熱に加え、ゲイツは、世界規模の映像情報源の開発を目的とした Corbis を設立するなど、芸術文化の保護にも力を入れています。この映像情報源は、世界中の公共および個人所有の芸術作品や写真をデジタル化し、書庫として収めたものです。彼はまた、広範な分野で事業を展開する企業への投資を目的とした Berkshire Hathaway Inc. の役員会のメンバーも務めています。

　フィランソロピーも、ゲイツにとって重要な位置を占めます。ビルと彼の妻メリンダは、アメリカも含め、世界における不平等を緩和する支援をするため、2000 年に財団を設立しました。ビル アンド メリンダ ゲイツ財団は、21 世紀には健康と教育の分野での発展が世界中のすべての人々を救うようにという希望を込めて、これらの重要分野への慈善活動を世界規模でサポートしています。財団については、以下の Web サイトを参照してください。www.gatesfoundation.org

　ゲイツとメリンダ フレンチ ゲイツは、1994 年 1 月 1 日に結婚し、2 人の間には 3 人の子供がいます。ゲイツは、熱心な読書家であり、また、ゴルフやテニス、トランプゲームのブリッジも楽しみます。

2008 年 7 月更新