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ノートパソコンの電源接続不良の修理とは (Lavie LL730/5の組立解説付)

  ノートパソコンのトラブルで比較的多い故障の一つが電源受け入れ口のジャック部分の損傷だ。一般的にノートパソコンは本体側に電源を持っていないため、外部のACアダプターで交流100Vを直流の10数Vに降圧後に本体のDCジャックにACアダプターのプラグを差し込んで、駆動用の電気を取り入れている。DCジャックはマザーボードに直付けされているものとケーブル・コネクターで接続されているものがあるが、前者のものが割合的には多い。マザーボードに直付けされているものは、大抵の場合1-2本程度のプラスティックの固定用突起と3本の端子でマザーボードに付けられている。固定用突起はマザーボードに開けられた穴に入り、3本の端子(+端子1本と-端子2本)はマザーボードの回路パターンのホールに入り半田付けされている。3本の端子は電源の供給路であると共にジャックを支える構造体の一部を担っている。

このDCジャックの故障は部品自体が物理的に破損する場合とDCジャックをマザーボードに取り付けている端子の半田付け部分が接触しなくなる場合の2種類に分けられる。

Lavie_ll73052

DCジャックはプラスティック製で、それほど強固な部品では無いので、経年変化や外部からの衝撃などで、プラスティックの一部が破損する事がある。ACアダプターのプラグ差込口は外部から見るとパソコンの一部で丈夫に作られていると思ってしまうが、実はマザーボードに4-5本程度の足でしがみついているDCジャックの接続部だけが見えている状態なので、それほど丈夫なものでは無い。ACアダプターのプラグを抜き差しする時に無理に押し込んだり、挿してあるACプラグに衝撃を与えたりするとそれはにもろにDCジャックに加わり、物理的に破壊する原因になる。

Lavie_ll73051 次にACプラグの抜き差しが繰り返される事によって半田付けされている端子の半田部分にクラックが入り、接触面に隙間が出来ると本来「面接触」であるべき部分が次第に「点接触」になって行き接触不良状態になる。接触抵抗が高くなりその部分で発熱し半田が溶けてしまう事態が起きる。このため、端子と回路パターンのホールの間が開いてしまい、最終的には接触しなくなり通電しなくなる。少しずらして強制的に接触させると電源は入るが、接触抵抗は大きいままなので、発熱しまた半田が溶けて間が大きくなり、ついには全く接触しなくなる。電源が入らなくなり、プラグを角度を変えたり押し付けたりすると電源が入るのは以上の様な理由なのだが、点接触では大電流が流れるため放電して火花が発生する事もあり、修理する時点でDCジャック周辺が焦げている事は良く見かけるので、パソコン内部にホコリなどが溜まっていると火災の危険性も無いとは言い切れない。

DCジャックの修理は、マザーボードに直付けされている場合はパソコンからマザーボードを取り出し、DCジャックが破損している場合は交換、半田付け部分が接触していない場合は半田付けのやり直しを行う。マザーボードは積層基板になっているのでどの層のパターンにも接触する様に半田は充分に流し込む。表面のパターンは表と裏にあるので、必要なら両面から半田付けを実施する。

DCジャックの修理が完了したらパソコンを組み立てる。今回はLavieのLL730/5の修理を行った。

Lavie_ll73053マザーボードを筐体に収めて2本のネジで固定する。





Lavie_ll73054 スピーカーのコネクターを接続する。





Lavie_ll73055 ハードディスクのマウンターを3本のネジで固定する。





Lavie_ll73056 ハードディスクをマウンターに取り付ける。(このマウンターはかなりきつく取り付けに苦労した。)





Lavie_ll73057 ハードディスクの手前にサウンド関係のサブボードをコネクタに差込み2本のネジで固定する。





Lavie_ll73058 ハードディスクの左隣にフロッピードライブを2本のネジで固定する。取り付ける前にフラットケーブルをコネクタに差し込む。





Lavie_ll73059  ハードディスクの左上のCPUファンを取り付ける。コネクタの差込み忘れに注意する。





Lavie_ll730511 Lavie_ll730510_2 LCDユニットのヒンジ部分をネジ止めする。





Lavie_ll730512 LCDケーブルをマザーボードのコネクタに差し込む。





Lavie_ll730513 パームレスト部分(一体型)をはめ込む。





Lavie_ll730514 タッチパッドのフレキケーブルをコネクタに差し込む。





Lavie_ll730515_2 スイッチパネルをはめ込み、2本のネジで固定する。





Lavie_ll730516_2 パソコンを裏返し、光学ドライブ挿入口の2本のネジを取り付ける。





Lavie_ll730517 パソコンを表に返し、光学ドライブを奥まで差込みコネクタを接続する。





Lavie_ll730518 光学ドライブをネジで固定する。





Lavie_ll730519 キーボードのコネクタを取り付ける。





Lavie_ll730520 キーボードを取り付ける。





Lavie_ll730521 スイッチパネルカバーをはめ込む。





Lavie_ll730522 Lavie_ll730523 後部のネジ2本を取り付ける。





Lavie_ll730524 パソコンを裏返して、ネジを取り付ける。





記事:ダイヒョー

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コメント

大変参考になりました。
我が家のパソコンもまさにこの状態です。
この修理を業者に依頼した場合、どれ位金額がかかるかご存じできたらお教えいただければ幸いです。

投稿: カオリ | 2009年1月22日 (木) 15時55分

カオリさん、コメントありがとうございます。
サウスプロジェクトチームでは、DCジャック部分の修理は税込13650円+部品代(必要な場合)で承っておりますので、宜しくご検討下さい。

投稿: ダイヒョー | 2009年1月22日 (木) 17時27分

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