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CDを超える高音質音源をダウンロードして「どのストレージに保存しておくべきか」はハイクオリティ再生のための大きなテーマ。高音質環境を実現するためのケーブル&アクセサリー選びも重要なポイントになってくる。 |
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高音質・音楽配信サービスサイト |
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LINN RECORDS
http://www.linnrecords.com/
クラシック、ジャズ、ロック&ポップスまで幅広いジャンルの作品を取りそろえるLINN RECORDSのオンラインサイト。最高96kHzまでの5.1chスタジオマスター音源(FLAC/WMA)、最高192kHzまでの2chスタジオマスター音源(FLAC/WMA)、CDクオリティの音源(FLAC/WMA)、またはDRMフリーのMP3(320kbps)でタイトルを揃える。価格は96kHzのスタジオマスター音源のタイトルで29ドル前後。最新の“スタジオマスター・グレード”作品のリリース情報や、再生方法など楽しみ方の紹介もサイト上で詳しく紹介されている。購入はクレジットカード決済を使用。
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【山之内氏のコメント】
ハードだけでなくコンテンツにも豊富なノウハウを持つLINNが先駆けて力を入れてきた高音質ダウンロード音源の配信サービス。最近ではLINN RECORDSの作品だけでなく、Channel Classicsなど他社レーベルの高音質タイトルも積極的に紹介している。ダウンロード音源の魅力を音楽業界全体でコラボレーションしながら育てていこうとする姿勢は、音楽ファンとして歓迎すべきものだし、応援していきたい。LINN RECORDSが登録ユーザー向けに配信しているメールマガジンサービスも新譜情報などが充実していて楽しめる。 |
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KRIPTON HQM STORE
http://www.HQM-STORE.com/ <6月下旬よりサービス開始予定>
クリプトン提供のDRMフリー96kHz/24bit高音質・音楽データ配信サービス。配信音源のファイルフォーマットはFLACを採用し、不正コピーに対しては電子透かしによる独自方式で対応する。スタート当初は高品位な録音タイトルのリリースにより、国内・海外に多くのファンを持つカメラータ・トウキョウの作品が中心に紹介され、価格は1タイトル3,000円程度を見込んでいる。年内には20タイトルを揃える予定。決済方法はクレジットカード。
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【山之内氏のコメント】
クリプトンと、サービススタート当初にタイトルを提供するカメラータ・トウキョウのチャレンジはたいへん心強い存在だ。カメラータは国内で最も信頼の置けるクラシックレーベルのひとつ。レーベルの創立者でもあるレコーディング・プロデューサーの井阪紘氏が手がけてきた色々な音源を所有しており、数々のアナログ音源をいま時間をかけてデジタルマスター化していると聞いているので、非常に楽しみだ。HQMのシステムをプラットフォームとして開放し、ほかにも高音質配信に興味を持つ国内の有力レーベルとも企業やジャンルの垣根を越えてノウハウを共有していくことができれば、今後大きなムーブメントを生み出していくことだろう。 |
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DG Webshop
http://www2.deutschegrammophon.com/
クラシックの秀作を中心としたドイツグラモフォンのオンラインサイト。音源ファイルの購入方法はFLAC形式のロスレスファイル、ビットレート320kbpsの高音質&DRMフリーMP3ファイル、または7日間のストリーミング試聴より選べる。購入はクレジットカード決済で可能。ロスレスダウンロード購入の場合、アルバムフルで12.99ユーロ前後。サイトの表示は英語対応。レコメン試聴サービスやメールマガジンも充実。
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【山之内氏のコメント】
ドイツ・グラモフォン(DG)では、音楽コンテンツのダウンロード配信は以前から積極的に取り組んでいたが、いよいよ昨年の秋頃からロスレス配信をスタートさせた。コンテンツは新旧、ジャンルともにバラエティに富んでいる。同時に「DGが高音質楽曲ダウンロードを始めた」ことのインパクトも大きいだろうし、他社のメジャーレーベルにもたらす波及効果にも注目したい。いま多くのレーベルが「アナログマスター音源の劣化」という課題に悩まされており、デジタルアーカイブ化は死活問題になりつつある。デジタル化については恐らくどのレーベルも既に取り組んでいるので、後はコンテンツの販売を実際にどんな方法でスタートさせるかという段階にある。このような業界の変革期にDGが大きな提案を実現したと思う。今後、このDGを他社が追いかけ、或いは追い越していけるのか、ファンは期待したいところ。現在DGの場合はFLAC形式のロスレス配信を行っているが、音質はCDクオリティに留まっているので、これを超えるサービスを自社、或いは他社が数多く実現してくれば注目だ。 |
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HDtracks
http://www.hdtracks.com/
Chesky Recordsが米国内向けに展開する高音質音楽配信サイト。96kHz/24bit、88kHz/24bitクオリティの楽曲ファイルをDRMフリーのFLAC形式で配信するほか、320 kbps MP3/AIFF/FLACの各ファイルフォーマットでも楽曲を揃えている。基本的にはアメリカ国内向けのサービスであるため、決済方法がやや複雑であり、国内からの支払いはPayPalを使うことになる。楽曲ファイルと一緒にPDFのカバーアート、ライナーノーツも付いてくる。Cheskyレーベル以外にもクラシック、ポップス、JAZZをはじめ多彩なジャンルの有力レーベルが同社のサービスをプラットフォームとして利用し、音源を提供していることも魅力のひとつ。
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【山之内氏のコメント】
HDtracksのサービスはクオリティでは突き抜けている。完全にピュアオーディオ志向だ。HDtracksのサービスにも、Cheskyだけでなく他の有力レーベルが参加し、プラットフォームを盛り上げている。こういう動きは今後急速に伸びてくるだろう。日本から購入する場合、クレジットカード決済ができないため利用しづらいのが残念。今後の進化をぜひ期待したい。 |
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e-onkyo music「HD高音質ミュージックダウンロード」
http://music.e-onkyo.com/
オンキヨーが提供するHD音楽配信サービス。音源は96kHz/24bitのWMA Losslessフォーマットで配信されており、国内外のクラシック、ジャズから、演歌・歌謡曲まで幅広いジャンルの作品を取りそろえている点が特徴。ダウンロードしたコンテンツはWindows Media Player、または同社オリジナルのプレーヤーソフト「CarryOn Music ver.10」などで再生が楽しめる。楽曲データにはDRMが組み込まれているため、基本的にはダウンロードを行ったパソコンのみで再生して楽しめるが、CD書き込み、ポータブルプレーヤーへの転送に対応している楽曲も取りそろえている。 |
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【山之内氏のコメント】
国内の音楽配信サービスの先駆け的存在だが、目下のところDRMが組み込まれているため、ダウンロードしたPCでしか再生できないのは残念。次のステップとしてネットワークシステムでも再生できる仕組みも検討して欲しい。今後もサービスの進化に期待したい。 |
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サポートアプリケーション |
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Plug Player
http://plugplayer.com/
iPhoneまたはiPod touchにインストールして、UPnP(Universal Plug and Play)対応のメディアサーバーやソフトがリモートコントロールできるソフト。メディアサーバー機能をインストールしたLAN HDDやLINNのDSシステムの操作にも対応しており、保存されているタイトル情報の表示や音楽再生コントロールなどが可能になる。 |
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Song Book
http://bookshelfapps.com/songbook.php
LINN DSシリーズ専用のコントローラーソフト。カバーアート表示機能も充実しており、アルバム一覧画面にジャケット写真が表示され、iPodと同様の操作感が楽しめる。再生時もカバーアートを画面全体に表示するモードを選べる。プレーヤー一覧画面ではDSシリーズを機種ごとにアイコン表示もできる。 |
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【山之内氏のコメント】
PlugPlayerやSong Bookのように、iPhone/iPod touchの直感的なインターフェースを活かして、LINN DSシステムのように一見すると取っつきにくそうなネットワークオーディオシステムをより身近に親しみやすくしてくれるコントローラーソフトは貴重な存在。いずれのソフトもネットワーク上の機器を管理したり、カバーアート表示にも対応した楽曲再生のインターフェースなど、アップデートしながら使い勝手をどんどん高めてきている。このようなサードパーティーのソフトと競い合いながら、純正のコントローラーソフトやハードウェアの操作性も高まってくること期待したい。また、今はPlugPlayer、Song BookともにLINN DSシステム専用となっているが、この先他社のシステムも同じインターフェースで使える可能性も出てくるだろう。同じネットワーク上のストレージにあるデータを、別々の部屋に導入したプレーヤーで聴くことも可能になれば面白いはずだ。
リッピングソフトについてはExact Audio Copy(EAC)とMaxを実際に使っている。EACは信頼性が高く、リッピングのクオリティも高い。情報量豊富なリッピングが可能であり、ボーカルやアコースティック系のソースを聴くと非常に空気感が充実していることがわかる。Maxも同様の高音質性能を実現している。使い勝手はそれぞれWin用、Mac用と異なるので、どちらが良いとは言えないが、EACの方がビギナーユーザーも使える簡単なモードとマニアックな設定まで可能なモードをそれぞれ設けているので、幅広いユーザーをターゲットにしていると言えるだろう。 |
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