Step 4  導入後記 〜DSをとりまく現状とこれから〜
DSで音楽を聴く習慣がすっかり定着した今、山之内氏が改めて感じるDSの魅力とは?そしてDSをはじめとするネットワークプレーヤーの普及に不可欠な高音質音楽配信サービスの可能性とは?DSをとりまく環境の現状と今後について語ってもらった。
 
DSを導入してから音楽を聴く時間が増えた

KLIMAX DSの導入以来、試聴室で音楽を聴く時間が増えているという山之内氏

KLIMAX DSを導入してから音楽を聴く時間が増えました。これまではディスクを購入してもなかなか聴く時間が持てず、もっと音楽を聴かねばというプレッシャーを感じてばかりいました。ところが、DSシステムで聴く音の良さにいったん取りつかれてしまったら、今度は「このCDをDSで聴くとどんな音になるだろう」、という期待感でどんどん音楽を聴きたくなってきたのです。大体どんなオーディオ機器でも買い換えたばかりのときはそういう気持ちが1週間、1ヶ月と続くものですが、DSの場合はその興味が一向に薄れず、ずっと続いています。それどころか時間が過ぎれば過ぎるほど期待感が高まっていくように思います。


UPnP対応でサードパーティーの参加も活気づく

先ほど紹介したDS専用のコントロールソフトSong Bookは、iPodユーザーが開発したシェアソフトです。これらのソフトはUPnP規格に準拠していて、NAS内に入っているWindowsメディアサーバーのソフトによって動いていているという仕組みです。PCからネットワーク一覧をのぞいてみると、NAS、DSもネットワークにぶらさがって表示されます。Windowsメディアサーバーに対応したものならば全てWindowsのPCで閲覧し操作することができるわけです。このようにUPnP対応を実現したことが、サードパーティーの参加にも活気が出てくる理由となっています。

パイオニアの「PDX-Z10」や、SONNETEERの「Morpheus」なども同じようにUPnPの環境上で操作することができるようになるはずです。つまり同じメディアサーバーのデータを共有して、部屋ごとに違うメーカーのプレーヤーで再生する、なんてことも可能になります。

高音質・音楽配信サイトの発展にも期待したい

高音質・音楽配信サイトについてですが、これは今現在ではまだサービスの数も限られていて選ぶ余地がありません。次の大きな飛躍まで、もう少し時間がかかると思います。クリプトンがKRIPTON HQMデータ配信サービス詳細はこちらを6月下旬からスタートさせる準備を進めており(6/4時点情報)、国内からも新たな動きが出てきました。

リンレコードのサイト

例えばマイナーなクラシックレーベルが集結している有名なサイト、ナクソス・ミュージック・ライブラリー(http://naxos)は、現在ストリーミング再生のみが可能ですが、全レーベルが一気に配信をはじめるといった大きな出来事が近々起きてくるのではないかと私は予測しています。

こういうことが起きれば劇的に配信サービスも変化していくと思います。やはり欲しい音源が配信サイトにあるかどうかというものが非常に重要ですので。もしもそのサイトに聴きたい音源が置いてあれば、高音質・音楽配信というのは非常に魅力的なサービスとなるでしょう。

リンレコードでは今、いくつかのライバル関係にあるレーベルとも組みながら高音質・音楽配信のサービスをより魅力的なものに成長させていこうと取り組んでいます。このように音楽文化の将来的な発展と、何よりもユーザーにとって魅力的なサービスであることを最優先に考えた取り組みの発展を、私も応援していきたいと思っています。

日本国内でも同様に、今後クリプトンのHQMで配信されるカメラータ・トウキョウの楽曲が注目を集め、ビジネスモデルを確立した際には、レーベルやジャンルの垣根を越えたプラットフォーム的なサービスを視野に入れながら、発展を遂げて欲しいと期待しています。

 
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