Step 3 最上位モデル「KLIMAX DS 」の魅力と使いこなし
DSの4機種の中でも山之内氏が選んだのは最上位モデルのKLIMAX DSだった。本機を選んだ理由と、上手に使いこなすためのポイントについて伺った。
 

マスター音源を最も忠実に再生できる機器、それがKLIMAX DSだった

LINN DSの4シリーズの中でKLIMAX DSを選んだのは単純な理由で、CDの音よりもDSでマスター音源を再生するほうが音がいいとわかった時、やはり最上級の音を再生できるものが欲しいと思ったからです。配信コンテンツはクオリティの高いものが今後ますます増えてくるだろうし、再生時にハードの影響を受けず、忠実にマスター音源を再生できる機器を求めていたのです。

山之内氏がその完成度の高さに太鼓判を押すKLIMAX DS

KLIMAX DSの内部構造。デコーダー、D/Aコンバーター、電源部で構成されるシンプルなつくりでノイズ対策を徹底的に施している

その点、さすがに最上位機のKLIMAX DSは音の入口から出口まで様々な高音質再生のための設計が採り入れられています。たとえば本体にはメカドライブが入っていないので、機械自体が元々極限までノイズを抑えた作りなのですが、さらにD/Aコンバーターやデコーダー、電源が互いに及ぼす僅かなノイズ発生の危険性までも考慮して、お互いの回路を完全に遮断した設計になっています。

音質の傾向としては、低域が安定してスケールが大きい音が得られることも、私の音楽の好みと一致しました。

本機は確かに高価な製品ですが、以前リンの「CD12」というプレーヤーの製造現場を取材した際に、リンは普通ならばやらないところまで精度を追求して製品を作っているオーディオメーカーであるということを知り、価格に見合うだけのクオリティをKLIMAXも備えていると実感しています。

アナログプレーヤーのように音を追い込む楽しみがある

KLIMAX DSの背面端子部。RCA端子、XLR端子を装備している

今はある程度自分の納得のいく量の音楽データを貯めるという作業を行っているので、DSの周辺機器を整えて高音質化を図っていくのはこれからの取り組みと考えています。けれども一段落したらケーブル、ストレージなどを変更して、いろいろと高音質な環境づくりにも挑戦してみたいと考えています。

取り急ぎ手元にある環境で実践しているのはグレードの高い接続方法を用いることです。KLIMAX DSはバランス、アンバランスのオーディオ接続端子を備えていますが、何度聴いてもバランス接続のほうが音が良いと感じて、私はシステム全体をバランス接続にしています。

何度か聴いていくうちにわかってきたことですが、KLIMAXは他のDSシリーズと比べてセッティングの変更によって音に影響を受けやすいプレーヤーです。そのため、KLIMAX専用のオーディオボードを導入しようかとも考えているところです。今はGTラックでしっかり固定していますが、これからもっと吟味していけば、より良い音が得られるはずです。

あらゆる外反要素、内部で発生する信号を排除していくほど、よい音になっていく。まるでアナログプレーヤーのようです。最近LANケーブルもいろいろな種類のものがでていますけど、KLIMAXで聴くとその違いがよく分かります。こだわりの余地がたくさんあって、とても面白いプレーヤーだと感じています。その分悩みも増えますが(笑)。

 
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