最終更新: 2009/06/05 01:36

スーパーニュースニュースJAPANスピークスーパーニュース WEEKEND新報道2001

「足利事件」菅家利和さん釈放 吉村警察庁長官「厳粛に重く受け止めている」

1990年5月、栃木・足利市で4歳の女の子が殺害された「足利事件」の再審開始を前に、菅家利和さん(62)が4日、釈放された。
記者会見した菅家さんは「当時の刑事と検察官を絶対許すことはありません」と語った。
逮捕から17年半、菅家さんが釈放され、笑顔で千葉刑務所をあとにした。
4日午後5時すぎの会見で、菅家さんは「わたしは、きょう釈放になりましたけど、本当にうれしく思います」、「自分としては、まったく身に覚えがありません。わたしは無実で、犯人ではありません」と語った。
1990年5月、栃木・足利市で4歳の女の子が殺害された「足利事件」で、無期懲役が確定し、服役していた菅家さんに対し、東京高検は、再審決定前に刑の執行を停止するという異例の判断に踏み切った。
会見で、菅家さんは「当時の警察と検察官、絶対許すことはありません。本当に間違っただけで、間違ったでは絶対済みません。自分の人生を返してもらいたいと思います」と語気を強めた。
裁判で争点の1つとなっていたのが、DNA鑑定の証拠能力だった。
事件発生当時、導入され始めたばかりのDNA鑑定で、女の子の下着から検出されたDNA型と菅家さんの型が、1,000人に1.2人の確率で一致した。
しかし、事件から19年たった2009年にあらためて行われたDNA鑑定では、検察側と弁護側、双方の鑑定人が、DNA型は一致せずとの鑑定書を提出した。
現在、鑑定の精度は4兆7,000億人に1人の確率まで向上しているという。
これを受け、東京高検は、無罪を言い渡す明らかな証拠にあたるのは確実と判断して、再審を求める意見書を東京高裁に提出し、刑の執行を停止した。
会見で、菅家さんは「やっぱり自分は無実だから、一致しなかったんだと、そう思いました。それで、同房の人と握手をしました。『良かった、良かった』と言ってくれました」と話した。
さらにもう1つの争点が、自供の信ぴょう性だった。
捜査段階で罪を認めたものの、1審の途中から無罪を主張し続けてきた菅家さんは、会見で「自白は強要された」と訴えた。
会見で、菅家さんは「刑事たちの取り調べが厳しいんですよね。髪の毛を引っ張ったり、足でけ飛ばしたり、それでお前がやったんだから、早くしゃべって楽になれと言われました」と話した。
一方、今回の判断を受け、吉村博人警察庁長官は「厳粛に重く受け止めている」とコメントした。
また、最高検察庁は「足利事件に関する全過程について精査する」としている。
再審で無罪となる公算が高い菅家さんは、殺害された女の子の家族、そして真犯人については、「(女の子の)両親に会って、『わたしは犯人ではありません』と伝えたいと思いますね」、「真犯人には、時効はあっては絶対なりません。時効になっても、わたしは許しません」と話した。

(06/05 00:11)


[ high / low ]

「社会」の最新記事

最新記事

Today's Question

5月15日から適用される予定の省エネ家電の「エコポイント制度」を受け、対象の家電製品を買おうと思いますか?

制度適用開始後に購入する予定
購入意欲が出てきた
制度は利用したいが買う予定はない
検討中・様子を見る
関心がない

送信

結果をみる

投稿する

記事に対する意見・ご感想や情報提供はこちらから

映像の投稿はこちらから

Windows Media Player」または「Flash Player」をインストールして、動画をご覧ください。