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【解説】
IT史に輝く「すべったテクノロジー」ベスト25[後編:10〜1位]
「少数に絶賛も、多数に非難」の悲しきプロジェクトたち
(2008年07月19日)
2位
Windows Vista
世界で最も革命的なOSのためにパーティーを用意したのに、主役がなかなかパーティに現れない。それどころか、ようやく主役が登場したものの、その革命が失敗に終わっていたとしたら、あなたはどういう気分になるだろうか。
もちろん、ここでのOSとはWindows Vistaのことだ。出荷日がたびたび延期されたにもかかわらず、WinFSやMonadコマンド・シェルなど期待の高かった機能は非搭載になった。その全貌が明らかになったとき、新OSはWindows XPの焼き直し、それも光り輝く3Dの装飾を施し肥大化させただけのWindowsへと変貌していたのである。
緩慢なパフォーマンス、不十分なドライバ・サポート、煩わしいGUI、不可解なアプリケーション・セキュリティ・モデルといったものを見せつけられると、デスクトップLinuxという選択肢もそれほど悪くないとさえ思えてくる。リスクを嫌う多くの企業ユーザーが、自社クライアントPCにおけるVistaへの移行をためらったのは、至極当然のことであろう。
先ごろSP(Service Pack)1がリリースされたが、企業環境へのVista導入が本格的に始まるのは、ひょっとしたらSP2以降になるかもしれない。
1位
セキュリティ技術
図1:情報セキュリティに関する企業・自治体などの被害状況(警察庁調べ) |
われわれは暗黙のうちにコンピュータを信用し、データの管理や計算、コミュニケーションを行っている。だがそろそろ、コンピュータはさほど信用できるものではないということを認識するべき時期なのではないだろうか。
パーソナル・コンピューティングの歴史が始まって30年になるが、そのセキュリティ問題は解決に向かうどころか、深刻化する一方のように見える。実際、顧客データをサイバー犯罪者に盗まれた企業の数は2007年に過去最高を記録した。それもそのはず、PCと歩調を合わせて進化してきたWebや電子メール、インスタント・メッセージングなどは、今では詐欺やスパイ行為の手段として、サイバー犯罪の世界で有効活用されているというのが実情だ。
盗み出す側からすれば、デジタル・データは非常に好都合だ。DVDなどのメディアにコピーしてポケットに入れてしまえば、だれにも気づかれることなく持ち出すことができるからである。
現在のコンピュータ・システムは、セキュリティ機能が十分でない基盤の上に構築されており、セキュリティの問題を解決することはきわめて困難、あるいはほぼ不可能という状況である。とりわけPC向けのセキュリティ技術については、基本的には安全でないということを前提として、“取り扱い注意”のスタンスで対処していく必要があるのだ。
【解説】IT史に輝く「すべったテクノロジー」ベスト25[前編:25〜11位]
「少数に絶賛も、多数に非難」の悲しきプロジェクトたち
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