知恵蔵2009の解説
フランスの最高勲章。軍事や文化、科学、産業、商業、クリエーションなどの分野において、フランスのために卓越した功績を残した人を表彰する。国家功労勲章とともに、フランス大統領の決定のもと、フランス政府から授与される。
1802年5月19日、ナポレオン・ボナパルトによって創設。勲章の赤いリボンは、17世紀にルイ14世が設けた「聖ルイ勲章」の名残といわれる。現在は大統領から任命された賞勲局の総裁が、勲章の運営にあたる。16人で構成される議定官会議が、新規または昇級の申請が法律と規約に合っているかを確認する。
等級は、上から順にグランクロア、グラントフィシエ、コマンドゥール、オフィシエ、シュバリエの5階級。上の等級は、まずシュバリエを授与されてから1階級ずつ昇級することで与えられる。フランス国民がシュバリエを授与されるには、公職なら20年、それ以外なら一定の職業に25年勤め、めざましい功績を残すことが条件。さらに、品行方正で信望が厚いかどうかも基準となる。オフィシエに昇級するには、8年間シュバリエであること。コマンドゥールは5年間、グラントフィシエとグランクロアは3年間、その前の等級でいることが条件。外国人の場合も選考条件はほぼ同じだが、勤続年数と等級間の年数については規約が異なる。また、外国人の場合、シュバリエ、オフィシエ、コマンドゥールはフランスとの経済や文化交流の発展に寄与した人に与えられる。グランクロワは国家元首に、グラントフィシエは首相クラスに、コマンドゥールは大臣クラスに与えられるもので、受章者は極めて限られる。現在までに外国籍の受章者は約1千500人いるが、その1割が日本人である。日本人では洋画家の藤田嗣治、作家の筒井康隆、大江健三郎、指揮者の小澤征爾などがシュバリエを授章しており、2009年3月にはマンガ家の池田理代子にもシュバリエが贈られた。『ベルサイユのばら』など、長年の日仏文化交流への貢献が評価されたことによるもの。
(
富岡亜紀子ライター)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2009」
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