足利事件、菅家さんを釈放  １７年半ぶり、再審開始決定へ　

　栃木県足利市で１９９０年、保育園女児＝当時（４）＝が誘拐、殺害された事件で無期懲役が確定し、再審請求中の菅家利和さん（６２）が４日午後、服役先の千葉刑務所から釈放された。９１年１２月の逮捕から１７年６カ月ぶり。東京高裁は今後、再審開始を決定する見通し。

　菅家さんは釈放後、千葉市内のホテルで弁護団とともに記者会見。「釈放になり、本当にうれしく思います。わたしは無実で、犯人ではありません。当時の警察官や検察官は絶対許せません。自分の人生を返してもらいたい」と話した。

　真犯人に対しても「絶対許さない」と述べ、女児の両親と面会し、無実を訴えることを望んだ。

　再審開始が確定すると、無期懲役か死刑が確定した事件では８７年の「島田事件」以来。これまで再審となったケースではすべて無罪になっており、今回も無罪判決を受ける公算が極めて大きい。

　最高検は同日、捜査段階から公判までの全過程について問題点を調査することを決めるとともに、足利事件のような再審請求に備え、精度が格段に劣る旧式のＤＮＡ鑑定に関係する事件の証拠品を保全するよう全国の地検に通知した。