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産科医:在院月312時間 過労死認定基準超す実態

 大学病院の産科医の在院時間は、1カ月間に平均312時間に及ぶことが、日本産科婦人科学会の初の調査で分かった。当直(夜間勤務)のある一般病院は平均295時間で、そのうち時間外勤務は平均123時間だった。厚生労働省の過労死認定基準が目安にする「1カ月100時間の時間外労働」をはるかに超えており、厳しい勤務実態が浮かんだ。

 調査は全国の大学病院や一般病院約750施設を対象に実施。回答した産科医計633人に、昨年5~11月の任意の1カ月間、全出勤日の出退勤時間を報告してもらい、在院時間を計算。また、退勤後も分娩(ぶんべん)などにすぐに対応する待機時間(オンコール)も調べた。

 その結果、大学病院の医師の在院時間は最大で505時間、大半の医師は238~386時間だった。当直回数は平均月4.9回、最も多い医師は月18回にも上った。当直のある一般病院では最大在院時間は428時間、大半の医師は234~356時間で、オンコール待機も平均88時間。当直のない病院では在院時間は平均255時間だったが、オンコール待機は平均166時間に上った。

 いずれの施設でも男女とも29歳以下の在院時間が最も長く、大学病院では平均383時間に及んでいた。同学会は勤務時間について、小児科医より若干長く、外科医とほぼ同じと分析している。

 調査を実施した海野信也・北里大教授(産婦人科)は「病院勤務の産科医は仕事がきつく、希望者が少ないといわれてきたが、今回の調査で厳しい勤務実態を事実として明らかにできた。国民への医療提供を維持するため、改善策を考えたい」と話している。【江口一】

毎日新聞 2009年6月4日 15時00分(最終更新 6月4日 15時02分)

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