【第1回】 2009年06月04日
“傲慢なのに打たれ弱い” 未熟でワガママな若手社員はなぜ増えたのか?
現代社会の未成熟化に伴い、職場でも性格が未熟でわがままな若い社員が増えています。彼らは、能力がないわけでもなく、むしろ積極的で活動的、華やかな場面が好きで、花見の席取りや宴会幹事などをさせると「デキル社員」です。しかし、いったんストレスのかかる場面に遭遇するととても弱く、強く叱責すると翌日から出社しなくなってしまったり、時には親身の指導を「パワハラである」と言い出します。最近は、こんな「会社のワガママちゃん」に振り回される管理職のグチをよく耳にします。
第1回目は、この連載で取り上げる「会社のワガママちゃん」が増えた背景とその人物像について解説をしましょう。
あなたの部下はワガママちゃん?
「チェックリスト」で確認しよう
以下のチェックリストのうち3項目が該当すれば、それは「ワガママちゃん」の可能性があります。
◇「会社のワガママちゃん」チェックリスト
1 「仕事がうまくいかないのは上司・先輩の指導が悪いからで、自分は十分にがんばっている」と考えている
2 「この部署の仕事は自分に向いていないから、やる気が起きない。○○課なら必ずうまくやれるのに」と周囲にもらす
3 業務に対して勇んで前向きな提案をするけれど、内容は稚拙、しかし本人は全くその認識がなく自信にあふれている
4 自身への適切な指導に対して表面的には聞くふりをするが、決して従おうとせず、強く指導するとふてくされる
5 「サポートしてもらってあたりまえ」的態度で、感謝の気持ちが薄い
いかがでしょうか? それではまず、「ワガママちゃん」のできあがるメカニズムを説明しましょう。
過保護に育った「ワガママちゃん」は
人にもまれた体験が足りない
「ワガママちゃん」は人格の成熟が遅れています。
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松崎一葉
(筑波大学大学院 社会医学系 教授)
1960年生まれ。1989年筑波大学大学院博士課程修了、精神科医、医学博士。東京都庁知事部局健康管理医、宇宙航空研究開発機構(JAXA)主任研究員、茨城県警察本部健康管理医のほか、企業の精神科産業医として国内外で活躍。著書に「会社で心を病むということ」(東洋経済新報社)、「もし部下がうつになったら」(ディスカバー携書)など。
「傲慢なのに打たれ弱い」未熟なワガママ社員が増え、多くの管理職が振り回されている。しかし、対処法を間違えば、彼らは「うつ」になるケースも。彼らとどう付き合っていけばよいのか、その方法を紹介していく。