東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

千葉市長、静岡県知事、都議選 自民、異例のてこ入れ

2009年6月4日 07時03分

 自民党が次期衆院選の前哨戦となる地方選挙のてこ入れに乗り出した。すでに告示された千葉市長選(六月十四日投開票)に加え、静岡県知事選(七月五日投開票)、東京都議選(同十二日投開票)と相次ぐ選挙の結果が衆院選の行方に影響を与えるとの危機感が強まっているためだ。従来は「地方選と国政はリンクしない」との立場だったが、背に腹は代えられず、党を挙げた異例の対応を取り始めた。 (金杉貴雄)

 自民党の菅義偉選対副委員長は三日午後、麻生太郎首相を官邸に訪ね、三つの地方選の情勢を報告し「負けるわけにはいかない」と訴えた。

 細田博之幹事長も同日の与党幹事長らの会談で「(衆院選の)前哨戦と位置付けられる」との認識を示し、協力して取り組むことを確認した。

 自民党は千葉市長選で、汚職事件で逮捕された前市長が後継指名した前副市長(63)を公明党とともに推薦。静岡県知事選には同党参院議員(60)が出馬表明している。

 民主党も千葉市長選で元同党市議(31)を擁立。静岡県知事選では出馬要請した大学学長(60)が立候補に前向きで、ここでも自民、民主両党が事実上、激突する構図が強まっている。

 告示まで一カ月を切った都議選は、両党が都議会第一党を争う展開となる見通しだ。

 しかも与党は、民主党の鳩山由紀夫代表が就任直後のさいたま市長選で、県組織の推薦した現職が民主党県連支持の新人に大差で敗れたばかり。七月にかけて重要な地方選が続く日程に「(次期衆院選へ)流れができてしまう」(自民党幹部)と、危機感を駆り立てている。

 自民党は五日には幹部らが静岡県知事選と都議選に関する戦略会議を開く。東京在住の秘書を都議選の応援に投入するなど支援態勢も強化する方針だ。

 津島派の三日の幹部会では、それぞれの地方選の関係議員が情勢報告し「容易でない状況だ」(同派幹部)との認識で一致した。

 党内では「もし地方選で敗北が続けば、このままでは衆院選を戦えないという声が高まる」(中堅幹部)と、結果次第では「麻生降ろし」が再燃する可能性があると指摘する声も出ている。

(東京新聞)

 

この記事を印刷する