「お~お~、派手にやったもんだのぉ。ケンカしたんじゃろ」
おとっちゃんは何もかもお見通しのようだった。アタシはひろみとのケンカの経緯をすべて話した。おとっちゃんにはなぜか素直に言える。アタシのつらい気持ちを、おとっちゃんは理解して、いいアドバイスをくれると思っていたからだろう。
「おとっちゃん、どう思う? ひろみ、超ムカつくでしょ!? アタシ、一生恨んでやるんだ!」
おとっちゃんは横になりながら、壊れた写真たてを持ち上げ、眺めていた。
「ひろみちゃんも、さやかちゃんと同じくらい苦しんどると思わんか?」
「えっ……?」
おとっちゃんに求めていたものとは違う言葉に、アタシは眉をひそめた。
「さやかちゃんは、そげなことにおうてつらかったじゃろう。おとっちゃんも悲しいて。そげな目にあわせたヤカラが憎い。ひろみちゃんだって、さやかちゃんがつらい目におうて苦しんどると思うぞ」
「……で、でもさ、ひろみがAVなんて汚いことしなきゃぁ、アタシがレイプされかけることもなかったんだよ! 人にセックス見せる仕事なんてして、何が楽しいんだか……。普通の人が考えることじゃないと思う。おとっちゃんだって、ひろみがAVして悲しいでしょ!? 軽蔑するでしょ!?」
必死でおとっちゃんに怒りの気持ちを訴えた。
「さやかちゃん、夢はあるんか?」
おとっちゃんは突拍子もないことを聞いてきた。アタシはいきなり話題を変えられ、困惑したが、しばらく頭で思い描いてみた。しかし、これ、というものがなかった。
「特にない……」
「じゃったら、夢を持って頑張ってるもんを真っ向から否定するもんじゃねぇ。まだ夢をめっけてねぇさやかちゃんが、ひろみちゃんの夢を馬鹿にしちゃあいかんよ。夢のあるもんは、キラキラしとる。内容がどうあれ、輝いとるもんの眼はきれいじゃ。おとっちゃんは大いに応援するて」
ななみ :
2009年6月3日 at 1:22 AM
親友は宝だね☆
アイス :
2009年6月3日 at 7:31 AM
おとっちゃんの言う通り、悪いのはさぁちゃんを襲ったやつらだよ。
さぁちゃんももちろん苦しい。
でも、みひろちゃんも絶対苦しいはずだよ。
おとっちゃん、元気になってほしい。
2人も、元の仲にもどってほしい。