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「ネット民主」が改革圧力に=天安門事件、4日で20年−中国

6月4日1時20分配信 時事通信

 【北京4日時事】中国で学生らの民主化運動が武力鎮圧された1989年の天安門事件から、4日で丸20年を迎えた。事件の記憶が薄れる一方、インターネット社会の到来は知る権利や発言権に関する国民の意識を刺激。影響力を増すネット世論が、民主化を求め共産党一党独裁体制に挑む新たな改革圧力になり得るとして、当局も神経をとがらせている。
 中国では最近、ネット掲示板での議論をきっかけに、当局の不正追及に至る「ネット民衆一揆」が増加している。雲南省では、留置場で収容者が暴行され死亡した事件について、省当局が「躱猫猫(目隠し鬼)をしていて壁に頭をぶつけた事故」と発表。ネット上で事実隠しに批判が集まり、関係者が処分された例があった。
 こうした事態を受け共産党政権も、温家宝首相がネットで市民と2時間にわたり対話するなど、ネット上に反映された民意を重視する姿勢をアピールするのに必死だ。党中央編訳局の何増科・当代研究所長は「政治改革を通じ、国民の発言権などを拡大しない限り、双方の緊張関係は悪化してしまう」と警告している。
 何所長は、政治改革では「民衆の権利が守られるよう監督する体制づくりが大切だ」と強調。党に権限が集中する現状に対し「党が政策決定権を、政府が執行権を掌握し、全国人民代表大会(国会)と(国政助言機関の)人民政治協商会議が監督権を掌握・行使するのが望ましい」と権力分散を説いている。 

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最終更新:6月4日1時22分

時事通信

 

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