A型肝炎、韓国で若年層に多いワケ(下)
20-30代、衛生的な環境で育ったため免疫が低下
A型肝炎は上下水道が十分に整っていなかった1970年代以前、5歳未満の乳幼児が風邪のようにたびたびかかっていたため、この時代に育った世代は免疫ができている。これに対し、生活水準が向上した80年代以降に生まれた世代は、衛生的な環境の下で育ったため、「発展途上国型の感染症」であるA型肝炎の抗体がなく、お手上げというわけだ。
ソウル大病院江南分院のカン・ヘヨン教授(消化器内科)のグループの調査によると、同病院で健康診断を受けた人のうち、50-60代の人は大部分がA型肝炎の抗体を持っている一方、30代で抗体を持っている人は38.8%、20代は4.4%にとどまった。
◆予防接種が最も確実な対策
A型肝炎にかかると、38度以上の高熱や倦怠(けんたい)感、手足の痛みや悪寒などの症状が出るほか、悪化すれば嘔吐(おうと)することもある。一般的には風邪やインフルエンザと似た症状だが、咳をはじめとする呼吸器系の症状は特にない。
慢性のB型肝炎とは違う点が多い。B型肝炎は一度かかるとウイルスを一生保有し続けることになるが、急性のA型肝炎は、一度かかって回復すれば、二度とかかることはない。
また、B型肝炎は時間がたつにつれて肝硬変などの重篤な病気を引き起こすが、A型肝炎は感染しても、免疫力が強ければ風邪と同様の軽い症状で済むことが多い。だが、病気の進行は早く、1000人に一人程度は死亡することもあるため、決して油断してはならない。延世大附属セブランス病院のキム・ドヨン教授(肝臓がん専門)は「新型インフルエンザは感染力が強く、集団感染が起こる危険性が高いが、病気自体の重さを考えると、A型肝炎の方が新型インフルエンザよりも重い病気だといえる」と話した。
だが、「手をよく洗い、清潔な環境を保ち、水を煮沸して飲むといった個人的な対策をきちんと取っていれば、ある程度の予防は可能だ」とキム教授は指摘した。
A型肝炎を予防するための最も確実な方法は、予防接種を受けることだ。だが、その費用は14万ウォン(約1万1000円)=1回につき7万ウォン(約5500円)で2回接種、5歳未満の乳幼児は1回4万ウォン(約3000円)×2回で8万ウォン(約6000円)=に達する。このため、一部の医師たちの間では、「予防接種はもちろん安全な方法だといえるが、経済的な負担を考えれば、無理に行う必要もない」という意見も出ている。
呉允煕(オ・ユンヒ)記者
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